臨床検査 9巻10号 (1965年10月)

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 通常の病理組織標本染色用として用いられている五種類の染色写真を掲げた。撮影技術の不慣れな点から忠実にもとのスライドの色調を再現しているとはいえないが,標本の有する染色特徴や組織形態などは充分生かされていると思うので,それぞれに説明を附して供覧することにした。

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 松下電器健康管理センターは松下電器で働く人は勿論のこと,従業員家族をふくめて当社に関係のある人すべての予防医療を中心とした健康管理に奉仕するために発足した機関です。即ちこのセンターは,6万人従業員の就業する各事業場に配置した健康管理室(フアーストエイドと第一次スクリーニング)の精密検査,最終診断機関として,また,4万人の家族の診断検査,保健相談機関として,受診者が各階を移動するにしたがい,各種検査が順序よく行なわれるよう,仕組まれています。

 したがって確定診断までの各種検査を行なって,ボーダーラインケースの観察,保健指導,管理を行ない,要治療者は,検査資料と共に松下病院などの治療機関へ移行させ,治療をうけさせる。治療後は,復職判定を経て,再びセンターの管理下におき,予後管理を加えて,社会復帰をうながすわけです。

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 もっぱらIMViC系の検査と炭水化物分解試験のみにたよっていた腸内細菌の同定に,10数年前から各種の新しい生化学試験法がとりいれられ,この方面の学問に大きな進展をもたらした。それらの試験法の一つにアミノ酸脱炭酸試験がある。

 腸内細菌のアミノ酸脱炭酸試験をはじめて研究したのはMφller (1954)で,かれは腸内細菌の各菌群のアミノ酸脱炭酸性をしらべている間に,リシン,オルニチンおよびアルギニンに対する脱炭酸作用が,菌群によってそれぞれ特徴的なことをみいだし,これら3種のアミノ酸の脱炭酸性を菌群鑑別の一手段としてとりいれた。その試験方法にも,はじめのワールブルグの検圧器を用いたかなり複雑なやり方から,鑑別用培地を用いてルチンで行なえる簡易法まで,かれ自身の手で検討を加えている(Mφller,1955)。

一般肺機能検査法 金上 晴夫 , 桂 敏樹
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はじめに

 肺は生体に酸素をあたえ炭酸ガスを排出する重要な器官である。したがって肺のはたらきの最終目的は,体内を循環して肺にかえってきた静脈血から炭酸ガスをとり酸素を供給して動脈血化することである。肺のこのようなはたらきを完成させるためには,1)換気(肺への空気のだし入れ)2)ガス分布(肺に入った空気の肺の各部分への配分)3)拡散(肺胞気と毛細管血間のガス交換)4)肺循環(肺における血液循環)という4つの過程が円滑に行なわれなければならない。もしこの過程のどこかに障害が起こると,生体のガス交換は阻害される。したがって肺機能障害の有無,程度をしるためには,ただ1つの検査だけでは不十分で,4つの過程について十分な検査を行ない結果を綜合して判定する必要がある。最近,肺生理学の進歩に伴い,これらの過程を測定する種々の肺機能検査法が出現した。しかしこの中には拡散能力測定や心カテーテル法のように,高価な装置を必要とするので限られた研究所や大病院でしか行なえないものもある。その点,換気機能の測定は装置操作ともに簡単で,どこの病院でも測定可能であり,しかも臨床的意義が大きい。今回は紙面の都合もあるので肺機能検査にあたり最初に必らず行なわなければならないレスピロメーター(Respirometer)による換気機能検査について,測定方法・計算法・検査の意義などをわかりやすく解説したい。

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はじめに

 糸球体滬過値(Glomerular Filtration Rate,GFR)測定の原理については既にチオ硫酸ソーダクリアランスの項で説明したが,今回さらに内因性脚註(1)クレアチニンクリアランス(endogenous creatinine clearance)をとりあげてGFR測定法上の問題点をもう一度考えてみよう。

 周知のようにGFR測定にはGFR物質とよばれる特殊な物質のクリアランスが利用されるが,これには血漿蛋白と結合せず,糸球体で限外滬過のみをうけ,かつ糸球体以下の尿細管で排泄も再吸収もうけない物質が望ましい。

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 畠山routineとしての中枢神経検索は今まで特に病理関係では非常におっくうがられていた傾向があります。これには色々の原因があると思われますが,その一つとして標本作製法という技術的な面で非常に多岐にわたっており統一がとれていないことがあげられます。そういった点でかなりとっつきにくいものがあったと思うんです。で,きょうこの席ではなるべく簡便で実用的な,かつ学術的要求にも十分耐え得る中枢神経標本作製法について,討議していただきたいと思います。

 それでまず最初に固定の問題から入りたいと思いますが,松山先生にお話ししていただきたいと思います。

講座 検査技術者のための臨床病理学講座16

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 1900年LandsteinerによってABO式血液型が発見されてから赤血球について色々の異った血液型が発見されたが,その主なものはABO,MN,P,Rh,Lutheran,Kell,Lewis,Duffy,Kiddの9種類である。したがって,赤血球の表面には多数の,異った抗原性をもつ血液型物質が分布しているわけである。これらのうち,自然抗体(生れつきもっている抗体)として存在するのはABO式に関するもので,他の血液型抗体はすべて免疫抗体としてあらわれ,過去の輸血,妊娠などによって免疫された場合にのみ出現する。また,血液型抗体はその反応態度から完全抗体(別名,定型抗体,二価抗体,食塩液凝集素,など)と不完全抗体(別名,非定型抗体,一価抗体,アルブミン凝集素,など)にわけられる。完全抗体に含まれるのは抗-A,抗-B,抗-M,抗-N,抗-P,抗-Lea,があり,他の血液型抗体は不完全抗体である。不完全抗体は赤血球と反応して赤血球凝集を起す場合,特殊な条件を必要とするので,それらの抗体を検出するのに特別な方法(高タンパク法,酵素法,クームス法,など)を用いなければならない。

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 京大衛生検査技師学校は昭和34年4月に創立され,昭和36年3月第1期卒業生を送り出してから,本年4月で第5期生を世に送った。1クラスわずか20名たらずの少人数であるために,この学校の卒業生はお互いに仲がよく,卒業したその年から同期生会,同窓会を毎年やっていた。しばしば著者もひっぱり出されたのでその間の事情はよくわかっていた。しかしどこの学校の同窓会でも普通にやられているただ会合して宴会をするだけの,いわゆる親睦会だけではどうも満足できない空気になってきた。真の勉強は学校を卒業してから始まるのだとの熱意のほとばしりがこの研究発表会となったのである。実は昨年6月にも第1回の発表会が行なわれたのである。その会が同窓の卒業生ばかりでなく傍聴した者を感動させ本年6月20日(日曜日)第2回の研究発表会が盛大に行なわれる結果となった。したがってこの研究発表会はもちろん京大衛生検査技師学校の卒業生のみが忙しい日常の仕事の間に行なった自分の研究を発表しお互いに刺激とし,お互いの勉強にするのであるが,傍聴者は同窓生だけでなく京都府衛生検査技師会員その他の衛生検査技師会員,中央検査室の技師,一般にも開放しているのである。

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筆記試験問題

細菌学(寄生虫学を含む)

 1次の3列の項目の間で関係のあるものを選び,与えられた欄に各項目左側の記号で記入しなさい。

基本情報

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臨床検査
9巻10号 (1965年10月)
電子版ISSN:1882-1367 印刷版ISSN:0485-1420 医学書院

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