病院 30巻11号 (1971年10月)

特集 人の使い方の再点検

人の使い方の再点検 石原 信吾
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まえがき

 ‘そこに山があるから登る’というのはイギリスの登山家ジョージ・マロリーの有名なことばである.ではもし仮に,‘そこに人がいるから使う’というような態度があるとしたら,はたしてどう評価されるであろうか.もちろん,人事管理上の観点からは,そんな安易な態度が是認されるわけはない.

 しかし,わが病院界においては,むしろそういった状況のほうが一般的であるとすらいえるような気がする.それには,またあとで考察するように,それなりの理由があるものと思われるが,とにかく,それでよいと言えるはずのないことは確かである.特に,病院は最も典型的な労働集約的経営体であって,人の働きが病院機能の発揮を支える基本的部分をなす.そのために,現在の社会一般の人手不足の影響は,病院に最も深刻に表われてきている.そうした人手不足が,需要供給の関係から大幅な給与の上昇をもたらすのは当然であって,病院の場合医師をはじめとする各専門職種の労働市場が閉鎖的であり,その需要の弾力性がきわめて小さいこととも相まって,最近の給与およびそれに伴う人件費の上昇は特に著しい.そうした面から,現在の病院には,人手倒産,赤字倒産の両面の危機すら予測されるほどである.いや,その危機は一部では既に現実のものとなりつつある様子さえみえる.

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はじめに

 ‘使う’ということばには,主従関係を暗示する響きがあり,各職種の専門的分化とその総合によるチーム診療が要求される現在の医療のあり方からみれば,まさに時代錯誤的な発想といえよう.しかし人が人を使う縦の人間関係は,依然として根強くわれわれの社会に存在しており,その人の使い方の日本的適用が,今次大戦のおびただしい消耗を可能とし,また戦後の神話的な国民総生産の増加をもたらしたものともいえるし,‘人の使い方’ということば自体,‘人を効率よく働かせる方法’ということを簡潔に表現したものとして,これに代わるべき適切なことばがないくらい,社会に定着し頻用されている.

 しかしこの縦の人間関係が既に大きな危機に直面していることは,ここ数年の大学紛争,特に医学部のそれをみれば明らかであろう.このような社会全般の縦の人間関係が再検討を迫られている現在,種々の職種の人びとの機能的な横の連繋が重視される病院における"人間関係のありかた"を検討することは意味のあることであり,この特集の意義もそのようなことを背景にして成立するものと考えられる.

看護婦の使い方 永井 トシヱ
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はじめに

 最近ある会で,さる放送局に関係のある評論家の方から言われた,今日の医療社会は100年以上遅れている(もちろん企業感覚において),病院の中で医師や看護婦が言っているようなことを,世間で言ったなら狂人扱いをされるだろう……と.

 これは私にはたいへんなショックだった.少なくとも私ども看護婦は,患者中心の看護に徹しようと日夜苦心をしている者として,あまりにひどいと思ったが,ちょうど当時は保険医総辞退の真最中だったので,そのような激しいことばで叱責されたのかもしれないと思い直した.

マージ(Merge)の導入 落合 勝一郎
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新語づいている時代

 新語がはやる時代である.はやるのも早いが消えてゆくのも早い時代である.

 ラルフ・ネーダーはまだ30歳になったばかりの青年だが,このごろConsumerism (消費者主義)運動を提唱して,世界最大の自動車メーカー・ゼネラルモーターズ社に喰いついて,すっかり名を売ってしまったと思ったら,世界中にConsumerismという新語もはやらせてしまった.マサチューセッツ工科大学のマグレガー教授が行動科学を唱え,X.Y理論を唱えると,日本中で大流行する.

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病院が危機に頻している今の最大の問題は,人手とカネだといわれる.これは表裏一体,カネがないから人手を確保できず,したがって施設のフル回転もおぼつかなく,利益もあげえず--という悪循環の源をつくる.病院は企業ではない,もうけることが目的ではないと,ことごとに言うけれど,今の現状では手を拱いてぼんやりしているわけにもいかず,とにかく,仕事の質と量とにムダはないかと,点検にのりだしていただくと……

病院と統計

収入統計の分析(9) 一条 勝夫
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室料差額

 入院患者収入は患者数と1人あたり収益の高さに比例する.患者数は多いほどよいわけであるが,病床数に限界がある以上,無制限にふやせるものではない.病室の構造や室料差額料金の高さによって利用率が異なるのでこれらの条件を加味して考えなければならない.そこで病床利川率を次のようにとる.

 室料差額料金別病床利用率=延入院患者数/病床数×日数…………(1)更に室料を減免することがあるので室料差額収納率=差額料収納額/差額料金×延入院患者数室料差額をとらない場合には,個室,2床室,4床室,総室というような病室種類別利用率を出すのである.

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 昭和25年に44床で発足した中南国保病院は,昭和43年に平塚市民病院となり,地域の中核病院となったが,老朽の建物を改築することにより,地域の医療センターの使命を帯び,同時に交通救急センターを併設し,昭和45年12月に新しく生まれ変わった.20年間のめざましい病院の成長を見ることができる.

建物は本館地下1階,地上5階,交通救急センター地上4階.交通救急センターは工事費約1億8000万円,医療器械設備費約1億3000万円.(神奈川県平塚市諏訪町20-22,玉村一雄院長)

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新装なった北里大学附属病院では,医師やナースをはじめとする職員のユニフォームに,大胆な改革の手をくわえた.医師から検査技師,はては事務職員にまでも身につけられた今までの格一的な"白衣"のイメージは,やはりいくぶんは時代おくれの感を呈する.モダンな病院にマツチしたユニフォームを——と,院内にユニフォーム委員会を設け,考案された数々のユニフォームは,それぞれの職種にあわせ,機能美にあふれたデザインと色が盛りこまれている.カラー写真で掲載できないのが非常に残念であるが,この病院の新しい装いをいくつか紹介しよう.

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 本年第9回を迎えた日本病院管理学会は,永沢滋会長(日大教授・日大板橋病院長)のもとで開催された.28題の一般演題は,従来盛んに取り上げられていた‘コンピュータ化の問題’や‘病歴管理の問題’に,新たに諸種の,‘地域医療に関する研究’までを加え,深く追究するという,これまでの病院管理学会の特色に,更に幅の広さを添えた専門らしい学会であった.

 特別講演は,最近1年間にわたるアメリカでの訪問教授を終えて帰られた紀伊国献三氏が‘総合的医療を個人個人の必要に応じて,質の高いものをより経済的・効率的に提供するためのしくみの中で,病院はどの部分をになうべきか’という点に関して話された.また,唄孝一氏は,心臓移植の際に種々論議された生死の判定を,法学の立場から明確にされ,永沢滋氏の会長演説では,診療評価と医療評価の概念を明確に整理し,医療の質の向上をはかるための病院管理学にしたいと,その方向を打ち出しておられた.

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 先生に病院のすみずみまで案内されたあとで,‘ところでこの病院の院長はどなたで,どこにおられますか’と尋ねた人があるという話が伝えられているが,先生はおよそ古い大学病院長のイメージとはかけ離れたところがある.すなわち先生は大学病院には珍しい,ほんとうの管理院長なのである.そして21世紀を目ざすと言われるこのユニークな北里大学病院を創りあげた中心人物である.

 もちろん大学病院をひとりで創ったわけではなく,教授・助教授や,その他病院のいろいろなポストを占めた多数の協力者がいるわけであるが,その出身にとらわれない人集めのうまさと,既存概念にとらわれない野望を達成するためのチームワークのよさは,やはり先生の人格と能力に負うところが絶大でありたと,思われる.

病院の広場

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 近代医学がめざましい発達をとげたのに,かえって増加の方向をたどっている疾患に気管支喘息がある.自然治癒することも決して珍しくない疾患を,近代医学がコントロールしえなかったのはなぜだろうか.

 われわれ名古屋大学小児科アレルギー研究グループは,このような立場で気管支喘息の検討を開始した.約10年前のことである.第1に,従来定説のなかった気管支喘息の病因を理論化し,喘息の成因論として気管支喘息の全体医学説(久徳)を提唱した.近代医学が得意とする疾患は①身体疾患,器質性疾患であり,②多くの場合,病原体などによる身体損傷で,③治療は薬剤ないしは手術など限られた手段である.しかし喘息は①環境と体質が関与した機能失調性疾患で,②心,身,アレルギーのすべての面で,患者が易適応障害性の強いことが疾病の病態であり,③薬剤はあくまで補助的手段であり,特に重症例ほど,環境を調整することが著効を呈することがわかった.

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多様な業種を含む病院にあって,コミュニケーションの良否は業務の円滑化のみならず,職場のモラルや人間関係をも左右する問題である.ここでは一般企業と対比しつつ,遅れているといわれる院内コミュニケーション活動,さらには人間関係の樹立についてお話しいただいた.

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読者の声
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●7月号について

 ‘勤務時間を点検する’の特集(7月号)は,石原信吾氏の指摘のように,"勤務時間に業務をでなく,業務に勤務時間をという発想の転換"を目指すものであろう,ところが,"点検する"を旗印しにした特集としては,必ずしもこの思想が1本すじを貫いていたとはいえない気がする.焦点がボケているという印象である.

 確かにねらいとしてむずかしい点であることは理解できても,石田氏,宮沢氏,宮川氏のねらいは,本特集のねらいとすこし違ったところに焦点がすえられていたようである.

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"待ち3時間,診察3分間"の解消

 わが国では,病院の外来で診察を受けるためには,かなり長い時間待たされるものだということが昔から一種の社会通念になっていたように思われる.患者の数がそれほど多くなかった時代には,おとなしく待っていてくれたので,割合にトラブルも少なかったが,10余年前に国民皆保険制度が実施されてからは,どこの病院でも急速に外来患者がふえてきて,いろいろと面倒な問題が起こるようになった.私が勤務している病院でも例外ではなく,今から数年前のことだが,ある外来患者が‘身近な問題’という題で,次のような随筆を書いているのを読んだことがある.

 少し血圧が高くなったので,近くの関東中央病院に診療を受けに行ったところ,大変な患者の数で,病院はふくれ上がるほどの満員である.医師も看護婦も薬剤師も事務員も皆テンテコ舞いの形であるが,それにもまして気の毒なのは患者たちであって,ヨボヨボの老人が1時間も2時間も辛抱づよく待たされている.それだけで病気は悪化しそうに思われる.‘げに病院とは待つことと見つけたり’であるようである.——と,外来での待ち時間が長いことを批判しているが,同じようなことが多くの病院でも見られるに違いない.

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読む楽しさを与えてくれる病院の解明の書

 略称をMGHと呼ばれる,マサチューセッツ総合病院は,ハーバード大学医学部の教育病院の1つとして,そこが産み出した輝かしい業績によって,世界的によく知られている.それは現代の医学のメッカの1つといえるほどであろう.その臨床協議会の記録は,わが国でも定期的に紹介されて,近代医学の前進の証言であったといえよう.

 そこで入院した五人の患者のありさまを,ドキュメンタリー風に描写したのが,この"五人のカルテ"(原題,五人の患者)であり,自身ハーバード大学医学部の卒業生である著者,マイクル・クライトンが,著書"アンドロメダ病原体"でもうかがわせてくれた文筆のさえで,現代の医療提供のしくみの中心的存在である病院,そのまた象徴的中心と考えられる教育病院の実体を,解剖した読みものである.

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われわれは都市に目を向けがちであるが……

 日本の医療問題は最近日本医師会により提起された医療保険制度の抜本改正をはじめとして医師の偏在の問題,特に無医地区の増加など山積している.とかくわれわれは都市に目を向けがちであるが,日本には農村医療,特に医療不毛の地のあることを認識してほしい.その意味で,本書はまさに病院関係者にとってはもちろんのこと,広く一般の人にも読んでほしい本である.

 著者の1人である大牟羅良氏は,戦後20余年ずっと農村をめぐって移りゆく農村の姿を観察し,国保連合会の機関誌"岩手の保健"の編集者として農民の声を活字にしてきた.昭和33年には日本のチベットといわれる岩手県の農民の姿を本にまとめた."ものいわぬ農民"(岩波新書)がそれである.本書はその後‘ものいわぬ農民’がどう変化したのか,読者の質問に答える意味もあって書かれている.かつて‘ものいわぬ農民’は,いろりを中心にして一家団らんのひとときをもち,その対話のなかから新しい共同体が生まれることを期待した.

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管内状況

 通称茨城県医療連というのは,いわゆる厚生連と内容は同義である.ただし,‘協同病院’というのは茨城県独自のもので,水戸市に茨城県協同病院があって,県北農協の医療センターとなり,一方この新治協同病院が県南の基幹病院となっている.筑波学園都市25万の門戸として将来の発展を約束されている‘土浦’市に,名称を代替する案もあったが,‘新治’の市民や農民に対するイメージはきわめて強く,さたやみとなった.

 設計中であった昭和43年6月現在の管内市町村人口および病院数および利川者調査の結果は,表1のとおりであるが,数量的に土浦市諸医療機関の中心的存在は決定的である.ただし土浦地区では,表2のように,新治協同病院が必ずしも中心的医療機関ではなく,他に国立霞ケ浦,東京医大霞ケ浦,東京医歯大付属霞ケ浦などの諸病院がある.それにもかかわらず,旧協同病院の位置が土浦駅の直前にあって,地域住民に親しまれていたが,特に病室などの老朽がはなはだしく,県南農民の基幹病院としての機の熟したのをみて,構想を新たにし,新敷地に一気に新築をみたものである.

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 水色——水というイメージからかけ離れてしまっていたミズイロ——それを想い出さしてくれる旭川の流れ.岡山の駅からこの旭川に沿って車で約15分,既にこの欄でご紹介した川崎裕宜先生が理事長をしておられる社会福祉法人旭川荘がある.

 この旭川荘には,肢体不自由児施設・重症心身障害児施設・精神薄弱児施設・乳児院・特別養護老人施設があり,厚生専門学院が付設されている.先生はこのコロニーの1つである重症心身障害児施設‘児童院’の院長である.

ミズーラだより・10

Physician's Assistant 紀伊国 献三
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 医師不足対策 医療に対する需要が急速に増大しつつあることは,人口の老齢化,経済的障壁の緩和,権利としての医療の意識などの原因が考えられますが,それに対応する医療資源とでもいいましょうか,要員,設備の不足はおそらく世界的な課題といえましょう.

 その中でも問題となるのは医療要員のなかでも医師の不足であることも,また世界的な課題といえるでしょう.

麻酔科医日誌・10

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 中国のハリ麻酔 8月13日の朝日新聞に‘中国医学の奇跡——ハリ麻酔で脳手術’なる記事が載り,8月25日の同新聞には詳細な写真が紹介されてから,おりしも日中国交問題が注目されている矢先であることも手伝って,にわかに針麻酔が話題になってきた.

 病院は上海第一医学院付属の華山病院という620床程度の総合病院というから,だいたい私の属している国立東京第一病院と同程度の規模である.患者のその1は50歳前後の男性で,治療用のハリは①両足の膝の外側(陽陵泉—腓骨頭の前下ぎわ,または足三里一膝を立て脛骨の外縁を擦上して指のとまるところ,膝蓋骨の上縁を拇指と示指で挾み,中指の先があたるところで,むかしの人が三里の灸をして旅立ったといわれる点),②膝の内側の少し下(地機—内踝の8寸上で脛骨後縁,または蠡溝(れいこう)—内踝の5寸上で脛骨内側面),③足首の前部(解谿(かいけい)—足関節前面中央)に各1本ずつ計6本打ってあり,足首のハリだけは看護婦がクルリ,クルリと回していたという.

新管理技術講座・10

OR
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 名実を備えた"科学的"手法 ORが管理技術として,病院を現実に運営管理していくうえで,どの程度有効に活用しうるかという点については,これを疑問視する人も多いであろう.少なくとも現在までは,それを大いに活用して成果をあげたという話はあまり聞かない.

 しかし,ORが管理のPDSサイクルの中に定量的データとその数学的または実験的処理という正に"科学的"という名にふさわしい手法をはじめて打ち立てたものであると考えられる以上,それに最後まで触れずにおくというわけにはいかない.しかも,そこには,たとえばその手法が直接的には役立つかどうか疑わしい点があるとしても,問題にアプローチする態度のうえでは,われわれの基本的態度として学ぶべき重要な面を含んでいる.そういうわけで,ここにORを取り上げることとしたのである.

病院の職員教育 駿河台日本大学病院職員教育資料より・22

病院の保安防災 田中 栄一

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 △16階建の高層病院ということで注目されていた国立東京第一病院の新館(病棟部分)は,昭利43年に着工され,昭和46年10月に移転が行なわれた.東京の高台にそびえる白色の建物は四方に偉容を示している.臓器別病棟の構成をとり,総合的,専門的な医療を目ざし,将来は国立医療センターを目ざしている.

 しかし現在は国立東京第一病院の移転であり,更に看護婦の勤務条件がからみ,1000床のうち360床ほどしか利用されていない.引き続き第4期工事として,外来・手術・給食棟,管理棟,放射線治療棟の建設が着工され,昭和48年の完成が予定されている.その後,更に研究所や教育施設の付設が実現したあかつきには,国立医療センターの全貌が整うことが期待されるものである.

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 わが国最高の設備と業績を誇る東京女子医大心臓血圧研究所は,昭和30年に設立されてすでに16年を経ているが,今日の陣容にまで成長した陰には開設者の並々ならぬ苦労ときわめてユニークな着想があった.

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はじめに

 専門医制度をめぐって各方面から問われてすでに久しい.そもそもは,戦前の昭和17年に国民医療法の中に,専門医に関する条項が盛こまれていたが,戦争の苛烈さに伴って医学教育が変更されるようになった.終戦になって,この法律にかわって,医師法と医療法とが分離され,専門医制度に関しては,医師の自主的団体でやるべきだとして,記載されないまま今日に至っている1)

 日本医師会2)では,すでに昭和26年に医学教育委員会が発足し,その中で,専門医制度に関して検討してきた.また厚生省3)では,元国立東京第一病院長,坂口康蔵先生をはじめとして,栗山重信,大槻菊男,橋本寛敏,草間良男,清水健太郎,守屋樽の7名の先生に‘専門医制度の研究’(厚生科学研究昭和30年度)を委託された.その結果は,翌年4月に第1次試案(中間報告)として発表し,これを厚生大臣に提出されたのである.その後各学会に検討を依頼されたといういきさつもあって,内科学会4)などにおいては,昭和31年に専門医制度委員会を発足して検討を始めている.

看護力活用の一考察 板崎 久子
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 極度の看護力不足が大きな社会問題になってから既に数年を経過し,その間に幾つかの問題が発生し,需要と供給のバランスについて論じられた場面も数知れぬ状態である.

 その間における関係者の努力にもかかわらず,看護力確保に対する見通しは暗く,困っている施設が多い状態である.このような現象の起因は種々あるが,当面の問題としては看護教育制度,臨床実習指導を基盤とした看護界のかかえている問題を,あらためて考察しなければならない.

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はじめに

 当内科病棟では昭和45年2月より自主管理検温法を用いてきたが,その方法が患者に対し,どのような影響を及ぼしたのか,またナースの業務上どのような意義があったのかをまとめてみた.

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医療制度抜本改正への方向づけ

 この病院分類委員会の答申は,最後に述べられている病院分類そのもの以上に,(I)作業の前提や(II)病院分類に関する一般的事項として述べられている部分に,より興味と価値があるように思われる.すなわちこの病院分類は,医療制度の全般を考え直すうちの一環として取り上げられているのであり,ちょうど保険医総辞退が強行された46年7月を含む短い期間のインテンシブな検討のなかで医師会の委員によって作られたものであるから,現在爼上にのぼっている医療制度抜本改正につながる重要な見解として,これを読みとらねばならない.

 医学の進歩と健康構造の変化を考え,①一生の生物学的区分に対応した包括医療体制,②日常生活の流れに対応する医療体制,③人間尊重の地域医療体制を確立するという前提は,だれも文句のないところであろう.

話題

"病める"病院西ドイツ 北 博正
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 わが国の多くの病院が,保険制度下で赤字経営ということで,大きな問題になっているが,西ドイツでも同じようである.ドイツの新聞Rheinischer Merkurの「"病める"病院」という表題の記事を紹介する.

霞ガ関だより

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保険医総辞退に至るまでの経過

 中医協の診療報酬体系の適正化に関する‘審議用メモ’に端を発し,7月1日から突入した日本医師会の保険医総辞退は,7月28日の佐藤総理,斎藤厚相,武見日木医師会長の三者会談でようやく収拾され,木年の2月18日以来審議を中止していた中央社会保険医療協議会が約半年ぶりの8月5日にようやく開かれ,軌道に乗ってきた.

 そこでこの間のおもな動きをあげてみた.

基本情報

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病院
30巻11号 (1971年10月)
電子版ISSN:1882-1383 印刷版ISSN:0385-2377 医学書院

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