研究と報告【投稿】
日本医師会の‘病院分類委員会答申’へのコメント
岩佐 潔
1
1病院管理研究所医療管理部
pp.108-109
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204482
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医療制度抜本改正への方向づけ
この病院分類委員会の答申は,最後に述べられている病院分類そのもの以上に,(I)作業の前提や(II)病院分類に関する一般的事項として述べられている部分に,より興味と価値があるように思われる.すなわちこの病院分類は,医療制度の全般を考え直すうちの一環として取り上げられているのであり,ちょうど保険医総辞退が強行された46年7月を含む短い期間のインテンシブな検討のなかで医師会の委員によって作られたものであるから,現在爼上にのぼっている医療制度抜本改正につながる重要な見解として,これを読みとらねばならない.
医学の進歩と健康構造の変化を考え,①一生の生物学的区分に対応した包括医療体制,②日常生活の流れに対応する医療体制,③人間尊重の地域医療体制を確立するという前提は,だれも文句のないところであろう.
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