研究と報告【投稿】
病院医師に関する研究—6.専門医制度をめぐっての意見
車田 松三郎
1
1東北大学医学部
pp.97-102
発行日 1971年10月1日
Published Date 1971/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204479
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はじめに
専門医制度をめぐって各方面から問われてすでに久しい.そもそもは,戦前の昭和17年に国民医療法の中に,専門医に関する条項が盛こまれていたが,戦争の苛烈さに伴って医学教育が変更されるようになった.終戦になって,この法律にかわって,医師法と医療法とが分離され,専門医制度に関しては,医師の自主的団体でやるべきだとして,記載されないまま今日に至っている1).
日本医師会2)では,すでに昭和26年に医学教育委員会が発足し,その中で,専門医制度に関して検討してきた.また厚生省3)では,元国立東京第一病院長,坂口康蔵先生をはじめとして,栗山重信,大槻菊男,橋本寛敏,草間良男,清水健太郎,守屋樽の7名の先生に‘専門医制度の研究’(厚生科学研究昭和30年度)を委託された.その結果は,翌年4月に第1次試案(中間報告)として発表し,これを厚生大臣に提出されたのである.その後各学会に検討を依頼されたといういきさつもあって,内科学会4)などにおいては,昭和31年に専門医制度委員会を発足して検討を始めている.
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