病院 22巻1号 (1963年1月)

グラフ

  • 文献概要を表示

 第2回病院管理視察研究会は,昨年11月8日,9日,10日の3日間行なわれた。参会者40余名,京阪神の9病院を3日のうちにまわり,車内研究会を持つという強行スケジユールであったが,全員元気に,視察や病院側との集談会に精力的に行動し,9日の夜は有馬温泉にて懇親会もあるというなごやかさで,無事神戸にて散会した。

 ここに本間五郎(本間外科病院院長)高橋政祺(日大医学部),小野田敏郎(東京警察病院)3氏のご援助により新年号をかざるグラビアとさせていただいた。

  • 文献概要を表示

 生きて働く施設としての体質改善

 新しい年は終戦後18年目,戦乱によって荒廃した病院医療が復興し始めてから15年目になるが,単に戦前の姿に帰ったのではなく,世界の進歩を採り入れて新しい姿をとり,戦前にもまさる発展を遂げつつあることは確かである。明治時代から医学教育が興隆し,医学研究も亦目覚しく活気を呈したのであったが,実際医療は医学の進歩と歩調を合せて発達したとは言いがたく,実際医療の根幹となるべき病院は,高級の医学を実際医療に徹底的に応用する機関というよりも,むしろ重症難病患者を収容して診療する機関として設けられる傾向があった。そして個人開業に成功し,或は大病院勤務に名声を博して下野した先生たちが私設診療機関として開設した多くの小中型病院が繁栄し,病院医療も営利事業として成り立つものであるという印象を世人に刻み込んだ時代すらある。

 このような状況が戦前まで続いたが,戦災による廃頽から立ち直るための資金,物資を獲得することは公私の別なく困難ではあったが,復興を急ぐ政策がとられると,国立,都道府県立,市町村立,その他の公益医療施設としての病院或は医学教育機関としての大学病院の方がやや有利であり,復興も早く,更に戦前に勝る発展を遂げる態勢を見せたものもある。終戦後10年を過した昭和30年(1955年)には官公立病院と公共的性格の病院は数に於て総病院数の46%,病床数では73%を占めるに至った。

  • 文献概要を表示

はじめに

 1961年の夏から秋にかけて約4ケ月間私はアメリカの病院管理研究観察のため渡米し,その間シカゴにおける米国病院協会本部における協会主催の「入院患者サービス向上セミナー」に招かれ,また第9回病院管理者学会および第63回アメリカ病院協会年次大会がアトランチックシテーで開かれ,その際日本代表として出席し分科会に参加し発言する機会が与えられたが,これらを通じその後23州の大学のメディカルセンターや大小の病院見学したが,そのあいだ私の最も注目をひいた病院管理の動向は新らしい構想の病院患者サービスのあり方と関心がもたれている医療強化サービスとして普及しつつある革進的患者医療計画(Progressive Patient Care)(略してPPC)のなかの重症医療ユニット(Intensive Care Unit)の課題の問題点であった。私の視察にはこの問題を特に注視し研究したので,病院管理最近の動向の一つとして将来益々関心が寄せられるので発表する次第である。

  • 文献概要を表示

 病棟内の看護婦は,その各種なる業務を遂行するために,終始各室間を往復しているわけであるが,その各室配置の不合理なために知らない内に余計な距離を歩行し,労力を消耗し,貴重な勤務時間を無駄に費し,従って限られた約8時間の勤務時間内での,患者に対するサービスが,それだけ削減された状態を呈している場合が多い。

 ここに調査した,A病院とB病院とにおいても,その線にもれず,あるいは看護婦自身は,大変調子良く動いている様に感じている様な場合でも,その労力の徒費は実は軽視できないものがあった。

  • 文献概要を表示

 公立病院の使命は,今や治療面だけでなく予防医学,社会医学への参画が要望されつつあると考える。私達は先に「レントゲン車による公衆衛生活動(1)」について発表し,又,当院で行なっている公衆衛生活動の一部(2)を紹介したが,今回はその全般について述べ,少しく今後の問題点に触れてみたいと思う。尚,内容を検討すると,病院が独自の立場で実施しているものもあるが,保健所或は他の集団の公衆衛生業務の一部を分担して,積極的にこれらに協力して実施しているものもあり,いろいろと性質の違ったものを含んでいる。従って発表する業績の中には,保健所その他との協同の仕事も数多く含まれているわけである。

 先ず私達の地理的環境について述べると第1図のように宮城県の南部で,やや山手に近く位置して居り,主な活動範囲は白石市,七ケ宿町,蔵王町である。乳児の先天性股関節異常の療育指導などは更に柴田郡,亘理郡,仙台市近郊の名取郡にも及んでいる。

  • 文献概要を表示

I.緒論

 精神病者の入院は,突発的で予期し難い場合も多く,又平常の入院でも患者の承諾を得にくいし,近隣にはばかる事もあって寝具類の準備を大ぴらに出来にくい事が屡々である。第11表の如く入院患者の支払い別内訳をみても生保患者が多く第1表の如く在院長期にわたる事が多いので,寝貝の補充,補修にも困難であった事,なお,退院時にも寝具の荷造り,発送が看護者側の労力を多く要した。以上の理由を解消し,精神病院の治療的雰囲気を高めるため基準寝具を希望していたが,昭和36年8月に生保がその制度をみとめたので当院も基準寝具を採用すべく決心を固めた。

  • 文献概要を表示

1)はじめに

 先に1)診療報酬請求書から見た甲乙2表の比較をして,甲乙何れの医療機関に於いても愛知県下の全医療機関は勿論,全国医療機関の一件当平均点数より低い点数を示す医療機関の提出する診療報酬請求明細書は,支払基金に於ける審査会に於いて審査の結果査定減点される率が極めて低く,その金額は,関係保険組合が支払基金に支払う審査事務費より極めて少額であることを示し,提案として,平均点数以下の医療機関の提出する請求明細書は審査する必要がなく,平均点数以上の医療機関の提出する請求明細書のみを審査すればよいことを申出たのである。

 併し,保険者がかかる提案を採用するまでには保険者と医療担当者との間に信頼関係が欠けている今日なかなか保険者として踏切れないものがあると思うので,保険者が医療機関を信用し易くするために平均点数で審査,無審査の区別をせず,一件点数が200点以上の件数のみを審査しては如何という提案をもし,そうすることにより,診療報酬請求事務が簡素化されることをのべた。

  • 文献概要を表示

 昨秋10月の国民健康保険法の世帯主7割給付や,結核予防法の画期的な命令入所制度のワクの拡大,さらに生活保護法による医療扶助運営要領の改訂,はたまた12月1日からの診療報酬点数表の再度の手なおしなどで,医事業務はますます複雑となった。

 今回の諸制度改訂により,今までの,ただ一連の診療行為伝票のみにより医療費を請求するという,いわゆる医事職員のデスクワークのみによる「適正な診療費の算定」は非常に困難なものとなった。

  • 文献概要を表示

 私共にとって病院の見学は常に楽しみですが,まして多数の専門的先生方と一緒に数病院を視察し,その結果について討論し研究するのは大変楽しいことです。11月8,9,10日の3日間大型バスを借切って京都を振出しに大阪,神戸と9病院を歴訪する第2回病院管理視察研究会が行なわれ,私も同勢45名の内に加わり大変勉強することが出来ましたのでその折りの感想を述べることにします。

研究所だより 病院管理研究所
  • 文献概要を表示

 あけましておめでとうございます。

 病院管理研究所も,研究所になってから2回目の新春を,研修所時代を入れると14回目の新春を祝う事になります。皆さんの励ましバックアップの故と所員一同あらためて感謝して居ります。吉田所長以下11名の研究スタッフ,7名の事務,2名の研究生で今年も日本の病院のため,努力して行きたいと願って居ります。

あとがき
  • 文献概要を表示

 あけましておめでとうございます。良いお正月をお迎えのことと存じます。

 さて今年も,多くの病める人々の救いのため,新な努力を重ねて行かねばなりません。そのためには,お互に手をたずさえて,勉強したり激励しあって行きましょう。本誌もおよばずながら御手伝いをさせて頂きますからどうぞよろしく。

病院管理講座 理論編・1

病院の歴史 吉田 幸雄
  • 文献概要を表示

1

 病院と一概にいうが,そのあり方は,社会の変遷と共に移り変って来ている。現在ある病院も,決して一定不変の働きをしているものではない。そしてそれは大きな歴史の流れに従って変って行くだろう。したがって病院の歴史を一応心得ておくことは,病院を経営したり管理したりするものに必要なことである。この意味で,ごく荒すじではあるが病院の歴史的流れを最初にお話して見よう。

病院管理講座 実務編・1

  • 文献概要を表示

はじめに

 入退院手続業務の良否は,病院の収容体制を整え,病院の機能を有効に発揮する上にきわめて重要な役割を有し,医療事務の主体をなすものである。しかしながら,現在多くの病院に見られるこの手続業務の実態は,医療事務機構の度合に応じて区々に取扱われている現状である。

 そこで,この業務内容を分析して,病院規模,診療科別規模を異にする3つの総合病院において実施した結果,一応の結論を得たので実施過程における考え方を含めて,手続業務の実務を主体として参考までに述べる。

Hospital Weather Cock 経営

  • 文献概要を表示

 厚生省が全国の公的医療機関に対して行なった昭和35年度の医業経営実態調査の結果が,病院にかんする分だけ発表された。時機的には問題があるにしても,経営管理上の資料としてあるていどの利用価値はあるように思われる。

 この調査は開設者別病院種別規模別に層化したうえでのランダムサンプリングである点,全国の公的病院の平均値をめざしたものといってよかろう。しかしなにぶんにも詳細な調査であって,現下の病院の経理上の処理能力からみて相当むづかしかったようで,いろいろな理由から調査,集計が不能として除外された施設数は100におよび,結局集計できたものは382病院という割合少ない数にとどまった。したがって,標本数の不足,集計不能施設除外によるバイアスを考慮すれば,統計的な信頼性はかなり減退したものと思われる。ことに種別とか開設者別または規模別などと細分して観察しようとすれば,標本数の僅少は致命的といってよく,計数そのものの統計的信頼性はすこぶるうたがわしいから,結果について神経質に議論するのは無意味に近い。

Hospital Weather Cock 診療管理

  • 文献概要を表示

 アメリカのミシガン州知事は州の医療を如何に行なうかを研究する為の特別委員会を任命していたが,この委員会は6年間の研究の末,1962年8月にその72ページにおよぶ報告書を発表した。ミシガン州は昔から医療問題に熱心な州であって,今日アメリカにおける病院整備計画の基礎になっているヒルバートン法(Hill-Burton Act)が成立するについても,ミシガン州における戦前の長年月の調査が基礎資料として使用されたことは広く知られている。今回の委員会報告も医療問題ことに病院問題の根本にふれており,わが国の医療制度上にも参考になる点があると思われるので此所に紹介する。

 報告書の冒頭には医療が食物,衣服,住居と同様に生活必需品になったので,医療が必要か必要でないかといった問題はすでになく,ただあるのは如何にしてその医療が全住民に与えられる制度をつくるべきかが問題であると述べている。従ってこれらの面における現状の欠陥と将来のあり方についてこの報告書は述べている。

Hospital Weather Cock 給食管理

  • 文献概要を表示

病院給食の過去の影

 社会は急速に変貌している。医学の進歩においても,経済面も,政治面も,食糧加工技術界も,すべての分野において,数年前と現在とは世相が著しく異っている。

 病院給食もまた,この社会の波にもまれ,流されている。

Hospital Weather Cock 事務管理

  • 文献概要を表示

 検査伝票を2連或は3連式として一片を中央検査室からの報告とし,病棟ではそれを,患者のカルテに日付順,検査別に貼る事は殆んどの病院に普及している。

 報告票は検査技術員により結果が手書きで記入され,メッセンジャーが気送管により病棟へ送られる。そこで報告票は分類され,カルテに大体日付順に貼りつけられる。血液関係の検査と,化学,細菌,尿等の検査は,報告票の紙の色では区別されるが,一ヵ所にまとめられず点在して貼られる。スペースをなるたけ少なくするため,報告票は少しずつずらして,重ねて貼られる場合がある。この場合カルテを複写したい時,保存のためマイクロフィルムに写す時,新たな問題となる。

Hospital Weather Cock 建築・設備

看護単位の大きさ T.O.
  • 文献概要を表示

 病棟部の計画に当っては,まずそれを構成する看護単位の大きさの決定が一義的な条件である。

 一般に看護単位の大きさについては,看護の面からは小さい方が好ましいといわれているが,いまだに適正値を決定するに足る確たる研究はなされていない。

Hospital Weather Cock 特殊病院

この欄の取扱いについて S.H.
  • 文献概要を表示

 特殊病院に対応する病院といえば一般病院であろう。病院を2大別するとすれば,どんな病院でもこの何れかに属しなければならないことになるので,われわれの頭のなかにはその限界線にあるものやその何れにも含めにくい病院が浮んできて,早速混乱しそうになる。

 医療法では,およそ病院とは何であるかを規定されているが,殊特病院なる名称は使用されていない。あえてその所在を求めると,同法施行令に「主として精神病,結核,らいその他厚生大臣が定める疾病の患者を収容する病院」という表現で管理義務のうちにいくつかの緩和規定が設けられているのが,それに該当する。勿論これは単科病院のことを指しているのではない。従って,ここにいう特殊な疾病を取扱う病院は総合病院に対応するものでない。

  • 文献概要を表示

 現今の日本の病院等に働く看護婦の不足は,ますます深刻な社会問題として,各方面から注目をあび,その解決がいろいろに案じられている。しかし,その中でのパートタイム制による既婚看護婦等,1日8時間又は1週間規定勤務時間数のすべてを働き得ない人々の,職場復帰については,対象が,有資格者であるということから,その日から職場で役に立つという特典も考えられるので今後,大いにその可能性を現実化する声が高められている。一般産業でのパートタイム制度の採用は,もう耳新しくはないし,病院によっては早くから,外来部門等に,この制度によって,採用した看護婦を配置する等の工夫が行なわれて来ているところもあるが,全体の病院勤務看護婦数に比すると,僅かな数でしかないと思われる。アメリカ看護婦協会ANAの出版による「Facts about Nursing」の統計から,そのパートタイムによる採用の実数をみてみると,昭和34年(1959年)の,地位職場別の看護婦数のうち,特に一般勤務看護婦の数の4割強はパートタイマーであることが示されている。第3表Aは,病院種別にみたもので,一般総合病院において,特にパートタイムを多く採用していることが,数の上に現われている。又同じくBによる経営主体別の分類では,いわゆる無利益法人体である病院に働く看護婦の中のパートタイマーの多いことが示されている。

  • 文献概要を表示

 昨年10月1日,厚生省令第48号で,診療用放射線の防護に関する医療法施行規則の一部を改正する省令が公布され,同日から施行されたが,この改正はかなり大幅のものであり,病院における放射線防護の措置に少なからぬ変更を加える必要がある。そこで,つぎに今回の改正の主な内容について述べてみよう。

1)従来は,放射線診療業務に従事している者が被ばくする放射線量は,1週につき300ミリレム以下とされていたが,これを1週につき100ミリレム以下に改め,また,放射線診療業務以外の業務に従事している者が被ばくする放射線量についても,従来は1週につき30ミリレム以下であったものを,当該施設の従事者については30ミリレム以下に,その他の一般人については10ミリレム以下にするよう改められた。

基本情報

03852377.22.1.jpg
病院
22巻1号 (1963年1月)
電子版ISSN:1882-1383 印刷版ISSN:0385-2377 医学書院

文献閲覧数ランキング(
3月16日~3月22日
)