小児科 57巻12号 (2016年11月)

特集 慢性重症障がい児を社会がどうみていくか

2.医療施設での医療とケア 本橋 裕子

4.医療行政の現況と今後 桑木 光太郎

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小児のめまいは、成人のそれに比べて症例数が圧倒的に少ないこと、めまいの診断には問診が重要であるが、低年齢の患児では十分に行えないことなど、診療に困難を伴うことも少なくない。小児めまいの原因疾患、良性発作性めまい、前庭片頭痛、年齢別の好発疾患、小児めまい症例における聴力検査・平衡機能検査、小児めまいの診断アルゴリズム、について解説した。

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食物アレルギーによるアナフィラキシー(AP)ショック(APS)で死亡に至った症例は、いずれも救急施設到着時には心肺停止状態であり、救命のためには病院搬送前の応急処置(プレホスピタルケア)が重要である。また、患者本人だけでなく、保育所・幼稚園・学校など子供を取り巻く関係者全体で適切な緊急時対応ができるように、啓発することが求められる。1)APの定義と診断基準、疫学、APSによる死亡、AP症状と薬物治療、2)プレホスピタルケアの実際、3)一般向けアドレナリン自己注射薬(AAI)エピペンの適応、4)AAI、5)AAI使用症例の集積調査、6)AAIの誤射事例、について概説した。

腎芽腫の診断と治療 松藤 凡 , 右田 美里
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わが国における小児の腎芽腫の発生数は年間80~100例で、頻度は1.2~1.5万人に1人である。腎芽腫の治療は手術が主体であるが、化学療法、放射線療法も奏効する。腎芽腫の病理(腎芽腫の肉眼的・組織学的所見、退形成腎芽腫、造腎組織遺残)、腎芽腫の臨床症状と検査(症状、転移、鑑別診断、画像診断、腫瘍マーカー)、腎芽腫の病期分類、腎芽腫の治療(手術、化学療法、放射線療法、治療成績、晩期障害)について概説した。

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癌患者に対しては原疾患の治療を優先すべきであるが、同時に癌克服後のQOL向上を見据えた治療戦略を立てることも重要である。特に小児期・若年期の癌においては、思春期に性的に成熟し妊孕性を獲得し、成人後に結婚や妊娠・出産などを経験するので、治療に当っては晩期合併症のリスクを念頭におき、長期フォローアップが重要となる。小児・若年癌患者の、1)晩期合併症、2)性腺機能障害、3)妊孕性温存、4)大阪大学病院小児科における検討、5)海外における取り組み、6)生殖医療ネットワークとしての取り組み、について概説した。

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富山市内の保育園に入園後6ヵ月以内の2歳未満児で、2014年10月~2015年9月に発熱と鼻汁・咳嗽などの呼吸器症状を呈して来院後、1週間以内に2回以上再受診した61名を対象に、凍結保存した鼻腔ぬぐい液を試料とし、21種類の呼吸器ウイルスについてリアルタイム逆転写PCR法による検査を行った。結果、呼吸器ウイルスは53名(87%)から検出され、このうち1種類のウイルスが検出されたのは25名(47%)、2種類が16名(30%)、3種類が11名(21%)、5種類が1名(2%)であった。検出されたウイルスはライノウイルスが最も多く34名、次いでヒトボカウイルス18名、アデノウイルス9名、パラインフルエンザウイルス9名、エンテロウイルス9名、コロナウイルス8名の順であり、これら6種類で全検出ウイルスの90%を占めた。

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新生児脳静脈洞血栓症は神経学的後遺症を残す場合もあるため、正しく診断しフォローアップしていかなければならないが、疾患の認知度がまだ十分とはいえず、診断から漏れている例が少なくない。本邦では1988年から2014年までに自験例を含めて37例の報告があるが、多くは会議録にとどまり、総括的な分析はなされていない。今回、自験例を提示するとともに、37例の「性別」「発症時期」「症状」「基礎疾患」「背景因子」「診断モダリティ」「静脈洞血栓部位」「治療法」「予後」などについてまとめたので報告した。

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7ヵ月男児。胸部X線写真では、鎖骨の低形成、肋骨のオール様変形、骨陰影濃化所見を認めた。骨陰影濃化所見を呈する疾患として常染色体劣性乳児大理石病を考慮したが、家族歴はなく、造血障害もなく、肝脾腫もないため否定的と判断した。次に肋骨のオール様陰影を呈する疾患としてムコ多糖症とムコリピドーシスを考慮し、精査を行った。結果、腹部と心臓の超音波検査で異常は認められず、血液検査でも有意な所見はなく、尿中glycosaminoglycansの高値も認めなかったため、否定的と考えた。骨系統疾患を疑って画像精査を行ったところ、大泉門の開大と縫合線の離解、下顎角の鈍化、手指末節骨先端の融解像、全身骨の陰影濃化所見を認め、Pycnodysostosisと診断した。

基本情報

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小児科
57巻12号 (2016年11月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0037-4121 金原出版

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