症例
体重増加不良を主訴に来院し、1枚の胸部単純X線写真からpycnodysostosisの診断に至った7ヵ月児の1例
原 周平
1
,
荘司 貴代
,
平岡 聡
,
山内 豊浩
,
唐木 克二
,
勝又 元
,
関根 裕司
,
小山 雅司
1静岡県立こども病院 総合診療科
キーワード:
経腸栄養
,
エネルギー摂取量
,
胸部X線診断
,
鑑別診断
,
発育不全
,
濃化異骨症
Keyword:
Energy Intake
,
Diagnosis, Differential
,
Failure to Thrive
,
Enteral Nutrition
,
Radiography, Thoracic
,
Pycnodysostosis
pp.1497-1501
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017052739
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7ヵ月男児。胸部X線写真では、鎖骨の低形成、肋骨のオール様変形、骨陰影濃化所見を認めた。骨陰影濃化所見を呈する疾患として常染色体劣性乳児大理石病を考慮したが、家族歴はなく、造血障害もなく、肝脾腫もないため否定的と判断した。次に肋骨のオール様陰影を呈する疾患としてムコ多糖症とムコリピドーシスを考慮し、精査を行った。結果、腹部と心臓の超音波検査で異常は認められず、血液検査でも有意な所見はなく、尿中glycosaminoglycansの高値も認めなかったため、否定的と考えた。骨系統疾患を疑って画像精査を行ったところ、大泉門の開大と縫合線の離解、下顎角の鈍化、手指末節骨先端の融解像、全身骨の陰影濃化所見を認め、Pycnodysostosisと診断した。
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