診療
周期性嘔吐症候群の疾患概念や診断・治療とその問題点
疋田 敏之
1,2
1帝京大学医学部小児科
2ひきた小児科クリニック
キーワード:
周期性嘔吐症候群
,
片頭痛
,
片頭痛に関連する周期性症候群
,
再発性消化管障害
,
国際頭痛分類第3版
Keyword:
周期性嘔吐症候群
,
片頭痛
,
片頭痛に関連する周期性症候群
,
再発性消化管障害
,
国際頭痛分類第3版
pp.1651-1657
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001542
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周期性嘔吐症候群の特徴は数日間の嘔吐発作を周期的にくり返すこと,間欠期は正常であること,数年の経過により自然治癒することである.日本では自家中毒,周期性ACTH-ADH分泌過剰症ともよばれている.診断の決め手となる検査はなく,臨床経過と嘔吐発作の特徴および器質的疾患の否定後に診断される.治療は嘔吐発作時の治療と予防治療に分けられる.問題点としては疾患概念が浸透していないためか,診断されていない症例や,診断されていても適切な治療を受けていない症例が存在する.自然軽快することの多い予後良好な疾患である.しかし,重症例では,まれに成人期まで症状の残る症例や,片頭痛に移行する症例がある.
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