Japanese
English
特集 社会的ストレスに関わる神経系の制御
慢性ストレスによる血球動態の変化と疾患増悪機構
Chronic stress-induced alterations in hematopoietic dynamics and mechanisms of disease exacerbation
北岡 志保
1
Shiho KITAOKA
1
1兵庫医科大学医学部薬理学講座
キーワード:
慢性ストレス
,
血球動態
,
炎症性腸疾患(IBD)
,
自己抗体
Keyword:
慢性ストレス
,
血球動態
,
炎症性腸疾患(IBD)
,
自己抗体
pp.841-844
発行日 2026年2月28日
Published Date 2026/2/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296090841
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心理的ストレスは多様な疾患の発症・増悪に関与するが,その分子機構はいまだ十分に解明されていない.本稿では,慢性ストレスモデルを用いた動物実験により,交感神経系および神経内分泌系を介した血球動態の変化が疾患進展に与える影響を概説した.慢性ストレスは骨髄系細胞の動員や脾臓の肥大を引き起こし,炎症性腸疾患(IBD)やアテローム性動脈硬化症の病態を悪化させる.また,液性免疫に対する影響として,自己抗体の産生と社会性低下との関連も示された.これらの知見は,慢性ストレスが免疫系を介して末梢臓器の機能変調を誘導する新たな機構を示唆するものである.今後は,実生活により即したストレス条件を反映したモデルを構築することで,慢性ストレスを標的とした創薬や予防戦略の展開が期待される.

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