Japanese
English
第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
臓器間ネットワークと消化器慢性炎症
Inter-organ networks and chronic inflammation in the digestive system
三上 洋平
1
,
寺谷 俊昭
1
,
金井 隆典
1
Yohei MIKAMI
1
,
Toshiaki TERATANI
1
,
Takanori KANAI
1
1慶應義塾大学医学部内科学(消化器)
キーワード:
迷走神経
,
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
炎症性腸疾患(IBD)
,
神経免疫連関
Keyword:
迷走神経
,
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
炎症性腸疾患(IBD)
,
神経免疫連関
pp.49-54
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820149
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消化器臓器は,消化管と肝胆膵などの実質臓器からなる集合体である.腸管で吸収された栄養は門脈系やリンパ管系を介して肝臓に運搬され,この解剖学的なつながりのために消化管と肝臓の臓器連関は長く研究されてきた.さらに,この消化吸収は交感神経・副交感神経が拮抗して調節し,適切な消化管の蠕動運動や諸臓器の内分泌系および外分泌系の制御を介した精緻なメカニズムを介する.近年,これら消化器臓器を支配する自律神経系と免疫細胞の直接相互作用である神経免疫連関が局所の炎症制御に大きく寄与していることや,神経免疫連関の理解により消化器臓器の慢性炎症への新たな制御機構が明らかになってきた.本稿では,自律神経系を介した消化器臓器と中枢神経系の相互作用の織り成す臓器間ネットワークの消化器臓器における慢性炎症疾患への関与について概説する.
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