Japanese
English
特集 消化管感染症のすべて2025
Ⅲ.十二指腸−小腸
(B)寄生虫感染症
小腸アニサキス症
Anisakiasis of the small intestine
清川 博史
1,2
,
安田 宏
1,3
Hirofumi KIYOKAWA
1,2
,
Hiroshi YASUDA
1,3
1聖マリアンナ医科大学病院消化器内科
2富士森内科クリニック
3聖マリアンナ医科大学病院健康診断センター
キーワード:
anisakiasis
Keyword:
anisakiasis
pp.159-161
発行日 2025年12月24日
Published Date 2025/12/24
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002376
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疾患の概要
アニサキス症は,海産魚介類に広く寄生するAnisakis属またはPseudoterranova属の幼線虫が,摂取により人体に侵入して消化管壁に寄生することで発症する寄生虫疾患である。主な症状として嘔気・嘔吐・急激な腹痛・腹部膨満感・蕁麻疹などがある。1960年にオランダのvan Thielらがニシンの塩漬けを摂取後に腸閉塞症状をきたした11名の患者の腸壁に幼線虫を認めたことを初めて報告した1)。アニサキス症の原因となる寄生虫のなかで最も多いのはA. simplex第3期幼虫である。イルカ,トド,クジラなどの海獣類の胃に寄生しているが,その生活史において多くの魚種が中間宿主となり,イカ,タラ,サバの寄生率は特に高い。わが国では魚介類を生食する習慣があるため本症の頻度は高い。本邦での消化管アニサキス症の全国集計によると,感染源となった魚類はサバ,イカ,カツオ,サケが多く,夏から秋に多発する2)。

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