Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
感染症:寄生虫,原虫性
小腸アニサキス症
Small intestinal anisakiasis
飯尾 澄夫
1
,
若井 雅貴
1
,
北村 正輔
1
,
小野川 靖二
1
,
花田 敬士
1
,
田中 信治
1
,
米原 修治
2
Sumio Iio
1
,
Masaki Wakai
1
,
Shosuke Kitamura
1
,
Seiji Onogawa
1
,
Keiji Hanada
1
,
Shinji Tanaka
1
,
Syuji Yonehara
2
1JA尾道総合病院消化器内科
2JA尾道総合病院病理研究検査科
キーワード:
小腸アニサキス症
,
腹部超音波検査
,
ダブルバルーン内視鏡検査
Keyword:
小腸アニサキス症
,
腹部超音波検査
,
ダブルバルーン内視鏡検査
pp.574-575
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001367
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疾患の概要
アニサキス症はAnisakis属またはPseudoterranova属というAnisakis亜科に属する線虫の幼虫が人体に侵入して引き起こす感染症の総称であり,それらが寄生した魚介類を経口摂取することで発症する。アニサキスはアザラシ,イルカ,鯨などの海産哺乳類を終宿主とし腸管に寄生している。海中で孵化した幼虫が第一中間宿主であるオキアミ類に寄生する。第一中間宿主をサバ,アジ,イワシ,スルメイカなどが摂取して第二中間宿主として腹腔内に寄生し,死後筋肉内へ移行する。次いで,ヒトが第二中間宿主を摂取することで感染が成立する。本邦では寿司や刺身など生魚を摂取する機会が多いことから諸外国と比較してアニサキス症の発生頻度は高い。感染予防としては冷凍,加熱,粉砕のいずれかが必要である。寄生部位は胃が90%以上を占め,小腸アニサキス症は胃アニサキス症と比較して非常に稀である1, 2)。また,診断に難渋し腸重積などの急性腹症と診断して外科的手術が行われ,術後に確定診断される症例も少なくないが,一因として胃と比較して内視鏡的アプローチが困難であることが考えられる。
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