Japanese
English
特集 半月板―Save the Meniscus 2026
Ⅰ.半月板の基礎
半月板のバイオメカニクス
Biomechanical function of the meniscus
大堀 智毅
1
,
山川 学志
2
,
常松 俊鷹
1
,
橘 優太
3
,
前 達雄
4
,
中田 研
2
Tomoki OHORI
1
,
Satoshi YAMAKAWA
2
,
Yuta TACHIBANA
3
,
Tatsuo MAE
4
1大阪大学大学院医学系研究科,器官制御外科学(整形外科)
2同上,健康スポーツ科学(スポーツ医学)
3大阪ろうさい病院,スポーツ整形外科
4大阪国際メディカル&サイエンスセンター 大阪けいさつ病院,整形外科
キーワード:
Meniscus
,
Biomechanical function
,
6-degree-of-freedom
Keyword:
Meniscus
,
Biomechanical function
,
6-degree-of-freedom
pp.435-441
発行日 2026年4月30日
Published Date 2026/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003775
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- 参考文献 Reference
半月板は力学的耐荷重能に優れたⅠ型コラーゲンの集合体であり,主体となる高密度に配列した円周方向線維を,これと直交するシート状線維(tie-fiber sheet)が束ねる構造であるため,円周方向だけでなく放射状方向にも比較的高い剛性を有し,曲げ方向の変形も生じにくくC字型の三次元構造を維持している。半月板は関節適合性の低い膝関節において,大腿骨-脛骨間にくさびのように介在し,関節面の適合性を向上させることで,垂直方向の荷重が一極に集中しないよう分散し,また垂直荷重を円周方向への引張荷重へと変換し脛骨付着部を介して伝達する。半月板の主たる生体力学的機能は,この垂直荷重に対する荷重分散・伝達機能であるが,円周方向線維に沿った縦断裂では,わずかな断裂幅でも荷重分散・伝達能に影響するが,断裂が進展しても大きな機能低下は起こらない。一方で円周方向線維に直交する横断裂では,断裂が外周縁近傍にまで達すると急激に荷重分散・伝達能が低下し,特に関節中央部の骨付着部に近い断裂ほど機能が大きく損なわれる。半月板が担う生体力学的機能を理解することは,損傷断端の離開を最大限抑制しうる縫合術の改良の一助となると考える。

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