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徹底分析シリーズ はじめてでもわかる心筋保護—麻酔科医のためのガイドラインの核心
心筋保護液に関する基礎的知識—麻酔科医も心筋保護の理論を知っておこう
横塚 基
1
Motoi YOKOZUKA
1
1三井記念病院 麻酔科
pp.888-893
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330090888
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現代の心臓血管外科手術において,人工心肺下での大動脈遮断によって惹起される心筋虚血から心筋をいかに保護するかは,術後成績および患者の生命予後を左右するきわめて重要な課題である。長らく各施設の経験則や独自のプロトコルにもとづいて発展してきた心筋保護法であるが,2024年に日本心筋保護研究会(現 日本心筋保護心保存学会)をはじめとする関連5学会の合同研究班により『開心術中心筋保護法の選択および実践のガイドライン』1)が発刊された。本ガイドラインは,心筋細胞レベルの基礎的な生理から,各種心筋保護液の薬理学的特性,さらには臨床現場での具体的な実践指針に至るまで,膨大なエビデンスにもとづく包括的な知見を集約したもので,推奨ガイドラインであり教科書であり実践マニュアルであるという性格をもつ,きわめてユニークなガイドラインといえる。
言うまでもなく心臓手術は心臓外科医,麻酔科医,臨床工学技士などからなるハートチームの緊密な連携によって成り立つ。われわれ麻酔科医は術中の血行動態の管理にとどまらず,経食道心エコーを駆使した心筋保護液の灌流状態や合併症の監視など,心筋保護戦略の中核を担う存在であることを自覚すべきである。
本稿では,本ガイドラインの第1章(総論・心筋保護のための基礎的知識と最近の動向)および第2章(臨床的心筋保護法の基礎理論と臨床指針)を中心に,麻酔科医が周術期管理において理解しておくべき理論と実践について網羅的に概説する。

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