徹底分析シリーズ はじめてでもわかる心筋保護—麻酔科医のためのガイドラインの核心
あなたの知らない心筋保護法の世界—迷える心筋保護液はどこへ流れているのか?
隈元 泰輔
1
Taisuke KUMAMOTO
1
1済生会熊本病院 麻酔科
pp.895-901
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330090895
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心筋保護液がどこへ流れ,どこで洗い流され,どこが守られていないのかを理解することは重要である。大動脈基部注入では冠動脈狭窄病変の末梢に到達しにくく,大動脈弁逆流があれば左室内へ流出する。選択的注入では左冠動脈主幹部が短い場合,左前下行枝または左回旋枝の一方に灌流が偏る可能性がある。逆行性注入では右心系心筋への灌流が不十分となりやすく,さらにThebesian静脈や前心静脈を介して心腔内へ流出する可能性もある。このように心筋保護液は,冠循環という迷宮を巡るなかで静かにその効果を失っている。
本稿では,順行性・逆行性注入の基本を中心に,“あなたの知らない心筋保護法の世界”を解説する。——ようこそ,心筋保護法のラビリンスへ。

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