特集 リカバリーを目指す認知療法(CT-R)を実臨床で生かす
リカバリーと外来森田療法―削ること・引き出すこと・ふくらますこと
北西 憲二
1
1森田療法研究所・北西クリニック
pp.497-498
発行日 2025年8月5日
Published Date 2025/8/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt51040497
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はじめに
外来森田療法の技法には,すでにリカバリー論が組み込まれている。その特徴として,次のようなことが挙げられる。
1)患者の体験(訴える悩み)を生活場面に沿って理解し,/2)今までの問題解決が問題であると理解し(悪循環モデル),/3)異なった問題解決モデルを示し,共有し,/4)患者の状態に即して,その治療の舞台を再設定し(橋本,2007),生活,社会的状況を再構造化注)し,/5)悪循環と生き方の修正を働きかけ,/6)一貫して患者や家族を縛っている言説(ここでは「べき」思考と呼ぶ)を削り,患者(あるいはその家族)の健康さ(生の力,生の欲望)に注目し,その力を引き出し,ふくらます介入を行う(北西,2010, 2025)。
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