新しい視点をさぐる リプロダクションと母体適応
分娩後のリカバリー
國本 恵吉
1
Keikichi Kunimoto
1
1岩手医科大学産科婦人科学
pp.592-595
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205878
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分娩後の復古現象には,妊娠中,胎児発育のために適応していた母体の全身諸臓器が妊娠前の状態に復古するための生理的変化と,子宮その他の性器の局所性の復古と分娩時に生じた産道創傷の治癒機転がある。分娩後の全身性,局所性の機能的,形態的復古は,妊娠中の280日という長期にわたる漸進性の適応にくらべ,短期間に起こる急速な退行性ないし修復変化であり,産褥初期は速やかで,その後は次第に緩徐となる。これらの変化に加えて,妊娠中内分泌機能の平衡を保持していたFeto-placental unitの廃絶に伴う母体性周期回復のための適応も加わる。
これらの復古現象に要する期間は,組織または,臓器によって異なるが,およそ42日間である(表1,2)。
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