特集 みんなのCBT――社会実装の未来とニュー・フロンティア
ITにサポートされた認知療法――アクセシビリティを高める
吉永 尚紀
1
1宮崎大学医学部看護学科
pp.142-146
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26020142
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I はじめに
筆者らはこれまで,社交不安症に対する対面による個人認知療法のエビデンスを確立し,診療報酬化や診療ガイドラインでの推奨,さらにはセラピスト養成に取り組んできた。しかし,臨床現場における十分な普及,すなわち社会実装には,いまだ至っていない。国内外の臨床研究により,認知療法・認知行動療法が各種精神疾患に対して一定の治療効果を有することが示されてきた一方で,世界各国において普及面での課題が指摘されている。こうした状況を背景に,筆者らは英国オックスフォード大学のDavid M Clark教授らと共同し,認知療法を短時間かつ遠隔で提供することを可能にする「ガイドつきセルフヘルプ型Web認知療法プログラム(internet-delivered cognitive therapy for social anxiety disorder : iCT-SAD)」の日本語版を開発した。本稿では,これまでの取り組みを概括するとともに,社交不安症に対する認知療法の社会実装を加速させる可能性をもつiCT-SADについて紹介する。

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