Japanese
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特集 社会参加の障壁となるもの
情報アクセシビリティの動向
Trends in Information Accessibility
山田 肇
1
Hajime Yamada
1
1東洋大学
1Toyo University
キーワード:
情報社会
,
アクセシビリティ
,
公共調達
,
ユーザビリティ
Keyword:
情報社会
,
アクセシビリティ
,
公共調達
,
ユーザビリティ
pp.745-750
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202010
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はじめに
視覚を用いなくても磁気カードが識別できるように,電話・交通・買物用カードに付ける丸や三角など切欠の形状を国内標準『JIS X 6310』が規定した.また,残高をカード面に空けたパンチ穴で知らせるように同標準は推奨した.その後,integrated cicuit(IC)カードが利用される時代になり,残高1,000円未満になると改札通過時にピピピッと知らせる機能を鉄道会社は提供している.しかし,切欠はないからICカードの区別は難かしい.
かつて,新聞を読み上げ録音して視覚障害者に郵送するボランティアがあった.今では,新聞サイトにアクセスすればよい.
情報社会の進展とともに障害者を囲む環境は変化してきた.読み上げによって他の人々と同時にニュースが入手できる利便が得られた一方で,ICカードが識別できないという新たな障壁が生まれた.
障害者などの多様な人々を情報社会に包摂するために社会は何をすべきなのだろうか.本稿では情報アクセシビリティについて,基礎から今後までを考える.
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