特集 虚血性心疾患
セミナー 臨床医が知るべき虚血性心疾患の病態と診断
冠攣縮性狭心症を診断するフロー
中山 雅文
1
1名戸ヶ谷病院内科
キーワード:
▶繰り返す安静時胸痛では器質的狭窄がなくてもVSAを考慮する.
,
▶胸痛の誘因や時間帯の特徴の聴取が,VSAの診断の手がかりとなる.
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▶ニトログリセリン投与後の症状軽減や心電図変化の改善は,VSAを疑う根拠となる重要な所見である.
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▶VSAは若年者や女性にも発症し,従来の冠動脈疾患リスクが低い患者でも注意が必要である.
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▶繰り返す原因不明の胸痛症例では,過去に循環器評価を受けていても再評価する必要がある.
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▶発作時の心電図変化は短時間で消失するため,非発作時検査のみでは診断が困難であり,ホルター心電図は非侵襲的な検査として有用である.
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▶アセチルコリン負荷試験は非典型例でも確定診断に至る有力な手段である.
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▶アセチルコリン負荷試験では発作時に冠動脈が90%以上収縮し,ST変化と胸痛を伴えば冠攣縮陽性と判定する.
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▶一般内科医との連携による早期診断と治療介入が,患者の予後とQOLを改善する.
Keyword:
▶繰り返す安静時胸痛では器質的狭窄がなくてもVSAを考慮する.
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▶胸痛の誘因や時間帯の特徴の聴取が,VSAの診断の手がかりとなる.
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▶ニトログリセリン投与後の症状軽減や心電図変化の改善は,VSAを疑う根拠となる重要な所見である.
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▶VSAは若年者や女性にも発症し,従来の冠動脈疾患リスクが低い患者でも注意が必要である.
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▶繰り返す原因不明の胸痛症例では,過去に循環器評価を受けていても再評価する必要がある.
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▶発作時の心電図変化は短時間で消失するため,非発作時検査のみでは診断が困難であり,ホルター心電図は非侵襲的な検査として有用である.
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▶アセチルコリン負荷試験は非典型例でも確定診断に至る有力な手段である.
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▶アセチルコリン負荷試験では発作時に冠動脈が90%以上収縮し,ST変化と胸痛を伴えば冠攣縮陽性と判定する.
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▶一般内科医との連携による早期診断と治療介入が,患者の予後とQOLを改善する.
pp.1544-1548
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.10_016
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はじめに
冠攣縮性狭心症vasospastic angina(VSA)は,器質的狭窄を伴わないにもかかわらず心筋の虚血症状を呈する病態ischemia with non-obstructive coronary arteries(INOCA)の一つである.そのため,発作時に特徴的な心電図での虚血性変化がみられることがあるが,発作の多くは短時間で消失するため,非発作時の検査では異常を検出しにくいこと,冠動脈CTをはじめとした画像所見のみで確定診断ができないことから臨床症状などから疑わなければ診断が難しい疾患である.

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