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特集 冠攣縮性狭心症
冠攣縮性狭心症の発症機序
Underlying Mechanisms of Coronary Vasospasm
安田 聡
1
,
下川 宏明
1
Satoshi Yasuda
1
,
Hiroaki Shimokawa
1
1東北大学大学院医学系研究科循環器病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Tohoku University School of Medicine
pp.15-20
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101607
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はじめに
冠攣縮は,突然の冠動脈の過収縮により一過性に血流が低下し心筋虚血を引き起こす機能的障害である(図1)1).この冠動脈局所の収縮の亢進には血管平滑筋の過収縮が関与しており,その分子機構として,低分子量GTP結合蛋白質Rhoの標的蛋白質として同定された細胞内セリンスレオニンリン酸酵素であるRho-キナーゼが重要な役割を果たしていることが明らかになった.Rho-キナーゼにはRho-キナーゼα/ROKα/ROCK2と,Rho-キナーゼβ/ROKβ/ROCK1という2つのアイソフォームがあり,収縮,増殖,遊走,遺伝子発現など細胞の生理機能に深く関与している(図2)2).
本稿では,冠攣縮におけるRho-キナーゼの病態生理学的意義について解説する.
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