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特集 冠攣縮性狭心症
冠攣縮性狭心症ガイドラインの背景
Background of Guidelines for Diagnosis and Treatment of Patients with Vasospastic Angina(Coronary Spastic Angina)
海北 幸一
1
,
小川 久雄
1
Koichi Kaikita
1
,
Hisao Ogawa
1
1熊本大学大学院生命科学研究部循環器病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medical Sciences, Kumamoto University
pp.7-14
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101606
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はじめに
現在,各循環器疾患の診断,治療に関しては,ガイドラインに基づいた方針決定が一般的となりつつある.以前は欧米のガイドラインを参照しながら行われていた診断,治療も,本邦と欧米との遺伝的背景や環境因子が異なることから,本邦の現状に照らし合わせた独自のガイドラインが制定され,日本循環器学会のホームページ上に掲載されている.2006年8月に第1回の班会議を行い,スタートした「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」1)の作成は,班員,協力員の先生方に多大な協力を頂き,約2年の制定作業の後,2008年12月に発表された.これまで作成されている他の診療ガイドラインは,欧米のエビデンスを元に作成されていることが多いように思われるが,冠攣縮性狭心症の診療ガイドラインは,世界に先駆けて日本から発信されたガイドラインであり,当疾患に対する診断と治療の標準化に向けて重要な意義があると言える.
本稿では,日本人の冠攣縮性狭心症の特徴を欧米と比較することにより,冠攣縮性狭心症ガイドラインを作成した背景について概説する.
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