特集 関節リウマチ
トピックス
リウマチ関連リンパ増殖性疾患(RA-LPD)
宮本(辻井) 敦子
1
,
星田 義彦
2
1国立病院機構大阪南医療センター免疫内科(現:大阪大学医学系研究科免疫内科)
2国立病院機構大阪南医療センター病理診断科
キーワード:
リウマチ関連リンパ増殖性疾患(RA-LPD)
,
▶RA患者の200人に1人の割合でRA-LPDが発症する.
,
▶組織型はDLBCL(52%),HL(12%),MALToma(6%),P-LPD(6%)の順に多い.
,
▶MTX投与中止で約8割の症例が退縮し,その1/3は約1年後に再増殖する.
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▶進行病期とHLは,独立した退縮後再増殖因子である.
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▶発症前に投与されたRA治療薬がRA-LPDの病態に影響を与える.
,
▶RA-LPDの病態はRA治療薬の進歩により経時的変遷を示している.
,
▶RA-LPD発症後のRA治療薬としてTCZやRTXが推奨される.
Keyword:
リウマチ関連リンパ増殖性疾患(RA-LPD)
,
▶RA患者の200人に1人の割合でRA-LPDが発症する.
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▶組織型はDLBCL(52%),HL(12%),MALToma(6%),P-LPD(6%)の順に多い.
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▶MTX投与中止で約8割の症例が退縮し,その1/3は約1年後に再増殖する.
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▶進行病期とHLは,独立した退縮後再増殖因子である.
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▶発症前に投与されたRA治療薬がRA-LPDの病態に影響を与える.
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▶RA-LPDの病態はRA治療薬の進歩により経時的変遷を示している.
,
▶RA-LPD発症後のRA治療薬としてTCZやRTXが推奨される.
pp.1230-1232
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.08_018
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はじめに
関節リウマチ患者に発生するリンパ増殖性疾患(RA-LPD)は,一般のリンパ腫(sporadic LPD)と異なる病態を示す.その発生にはRA自体の免疫亢進状態,RA治療薬による免疫抑制状態,エプスタイン・バーウイルスなどいくつかの要因が関与して,その実態を複雑にしている.特にメトトレキサート(MTX)を含むRA治療薬の投与中止で腫瘍が退縮することが,LPDが発生した際のRA治療薬の選択やLPDの治療方針の決定を難しくしている1).筆者らはRA-LPDの実態を解明するために全国53の施設による多機関共同研究を実施し,RA-LPD 752例,sporadic LPD 770例のデータベース2)を構築した.本稿では主にこのデータをもとにRA-LPDにつき解説する.

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