手術症例報告
EBウイルス陽性リンパ増殖性疾患(EBV-LPD)によるS状結腸mucocutaneous ulcerの腹腔鏡下切除例
古賀 修平
1
,
富沢 賢治
1
,
花岡 裕
1
,
戸田 重夫
1
,
的場 周一郎
1
,
黒柳 洋弥
1
1虎の門病院消化器外科
キーワード:
EBV-LPD
,
EBVMCU
,
腹腔鏡下S状結腸切除術
Keyword:
EBV-LPD
,
EBVMCU
,
腹腔鏡下S状結腸切除術
pp.1299-1304
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000795
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EBウイルス陽性リンパ増殖性疾患(EBV-positive lymphoproliferative disorder;EBV-LPD)は,EBV陽性のBリンパ球が宿主の免疫低下で増殖し,リンパ腫様の病態をきたす疾患である。とくに皮膚や粘膜に局在し,潰瘍性病変を呈するものはEBウイルス陽性粘膜皮膚潰瘍病変(EBV-positive mucocutaneous ulcer;EBVMCU)とされている。皮膚と口腔内が好発部位とされ,大腸での発生はまれである。さらに,免疫抑制剤の投与歴がなく,加齢による免疫能低下が起因した大腸EBVMCUの報告例は検索した限り,過去には存在しない。また,EBVMCUは自然軽快することもあるが,化学療法や放射線療法が奏効するとの報告もあり,治療法は確立されていない1)。
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