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特集 関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理
関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の経過と予後
Clinical course and prognosis of lymphoproliferative diseases associated with rheumatoid arthritis
田中 真生
1
Masao TANAKA
1
1京都大学大学院医学研究科リウマチ性疾患先進医療学講座
キーワード:
自然消退
,
自然消退後再発
,
生命予後
,
生命予後因子
Keyword:
自然消退
,
自然消退後再発
,
生命予後
,
生命予後因子
pp.787-793
発行日 2022年11月19日
Published Date 2022/11/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28308787
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メトトレキサート(MTX)を主とする免疫抑制薬による関節リウマチ(RA)の治療中に発症したリンパ増殖性疾患(LPD)では,免疫抑制薬を中止するだけで約半数~2/3でLPD病変の縮小がみられる(自然消退).自然消退後は半数以上が無再発で経過するが,再発した場合は治療が必要となる.このようにRA関連LPDの経過は,一般的な悪性リンパ腫の経過とは異なるため,何らかの指標をもった治療戦略が必要となる.日本リウマチ学会による調査結果では,5年全生存率は78.2%,自然消退後の5年無再発生存率は75.1%であった.多変量解析で見出された生命予後不良因子は,①70歳を超える高齢,②病理組織型が古典的ホジキンリンパ腫(CHL),③初発時に深部リンパ節病変があるか,2個以上の節外病変がある,④パフォーマンスステータス(PS)が2以上,であった.自然消退後の再発には,病理組織型がCHL,初発時の可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)高値(>2,000IU/L)の2つの因子が関連していた.再発時は末梢血リンパ球数(ALC)がその3~6カ月前より有意に低下する現象があり,ALCの経過観察で再発の予兆をつかめる可能性がある.
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