誌上ディベート
閉経後乳癌の術後補助療法に骨修飾薬(BMA)を使用すべきか(デノスマブも含めて) 論点整理
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.35-35
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.02_0035-0035
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1990年代後半から2000年代前半にかけて乳癌術後に経口ビスホスホネート(BP)であるクロドロネートを投与すると再発を抑制し生存期間を延長させることを示唆するランダム化比較試験の結果が報告された。遠隔転移はないが免疫染色で骨髄に腫瘍細胞を認めた患者を対象にクロドロネートによる骨転移抑制を検証したランダム化比較試験において,クロドロネートが骨転移のみならず臓器転移も抑制し,全生存期間(OS)も延長(p=0.001)したことが1998年に報告された1)。同様に遠隔転移がない乳癌の術後でクロドロネートの効果を検証したプラセボ対照ランダム化比較試験では骨転移の抑制は有意ではなかったが,5年生存割合はプラセボで79%であったのに対しクロドロネート群83%と改善した(p= 0.047)2)。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「使用すべきである」とする立場から/尾崎由記範/高野利実・「使用すべきでない」とする立場から/野口瑛美
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