誌上ディベート
閉経前乳癌の術後内分泌療法としてLH-RHアナログ+エキセメスタンを使用すべきか? 論点整理
南 博信
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1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.36-36
発行日 2015年3月31日
Published Date 2015/3/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.01.01_0036-0036
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ホルモン受容体陽性乳癌のほとんどで術後に内分泌療法が行われるが,閉経前ではタモキシフェン単剤が基本である。一方,転移・再発乳癌ではタモキシフェンにLH-RHアナログを併用すると治療成績が向上することが比較試験で示された。術後補助療法でもこれらの併用は魅力的だが,その有効性を確実に証明した臨床試験はない。乳癌術後の標準治療にLH-RHアナログを追加する意義が4試験で検証され統合解析の結果がZIPP試験として報告されたが,タモキシフェン単剤に比べてタモキシフェンとLH-RHアナログ併用の優越性は示されなかった。エストロゲン受容体陽性例だけに限って他の試験データとさらにメタ解析が行われたが,それでも併用効果は統計学的には有意ではなかった。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「使用すべきである」とする立場から/高橋三奈/青儀健二郎・「使用する必要はない」とする立場から/増田紘子/増田慎三
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