これからの緑内障診療のために「緑内障と近視」
第Ⅱ章 病態 ②緑内障性視神経症と近視性視神経症
新田 耕治
1
1福井県済生会病院眼科部長
pp.58-62
発行日 2015年8月31日
Published Date 2015/8/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.50_0058-0062
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「近視性視神経症と視野障害」近視眼では,若年期に眼軸長の延長に伴い視神経の乳頭の傾斜が生じ,さらに40歳前後には後部ぶどう腫の出現によりさらに眼球形態が変化することにより篩状板支持組織の脆弱化や視神経周囲の構造的変化による力学的不均衡が生じ,視神経乳頭の形態に重大な影響を与えると考えられている.この形態変化によって,病的近視眼の代表的眼底所見の一つである近視性網脈絡膜萎縮などを生じていなくても視野障害を生じることがある.正常眼を対象にした筆者らの解析において,ハンフリー視野の測定部位別に網膜感度と眼軸長の相関を調べると,全52部位のうち眼軸長が延長するにつれて網膜感度が有意に低下する部位をSWAP(short wave-length automatic perimetry)で25部位,SAPで13部位認めた2).
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