Glaucoma Q&A
Q1:緑内障の視野検査の施行頻度は?/Q2:緑内障のOCT検査での注意点は?
田川 美穂
1
1京都大学大学院医学研究科眼科学大学院生
pp.64-70
発行日 2015年8月31日
Published Date 2015/8/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.50_0064-0070
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Q1:緑内障患者さんの視野検査の施行頻度はどのように決定したらよいのでしょうか?A1:視野検査は疲労や体調の影響を受け,結果にはばらつきが必ず生じます.また,初回の視野検査では患者さんが慣れておらず2回目以降のほうが良い視野結果が出る傾向があることにも注意が必要です.したがって,単に1回の検査結果を前回と比較するのでは正確に評価できない可能性が高いため,視野障害進行の評価法にはトレンド型解析やイベント型解析という解析方法を用います.トレンド型解析とはMD(mean deviation)やVFI(visual field index)といった視野パラメータの経時的な変化傾向から回帰直線の傾きを算出する方法で,視野検査の視野進行検出の精度が高いとされています.一方,イベント型解析とは,ベースラインの視野からの生理的変動幅を超える悪化の有無を検討する方法で,経過観察期間の中途でも適応可能であることが利点ですが,視野悪化の有無のみを基準とするため治療効果の差などの検出には不向きで,進行が遅いケースでの偽陽性に注意が必要です1).
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