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特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (4)
特別講演
緑内障の視神経乳頭
Optic nerve head in glaucoma
難波 克彦
2
Ronald L Radius
1
2新潟大
1Med. Coll of Wiscosin Eye Institute
pp.441-445
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209701
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緑内障眼において眼圧上昇による視神経障害のメカニズムは未だ謎につつまれている.ここ数年間の研究で視神経乳頭の解剖学的構造の重要性や易障害性のある部位の存在,眼圧上昇による軸索流の障害などが解明されてきた.ここでは現在までに行われた研究を要約して述べる.
視神経は網膜内の神経節細胞層から発する.神経節細胞は内顆粒層にあるミューラー細胞に取囲まれ,おそらくそれから栄養されていると考えられる.近接する内網状層由来の軸索は深層の視細胞が光刺激に対しておこす複雑な心理物理的な反応の中間過程として網膜神経節細胞の興奮を調整している.神経節細胞の軸索突起はこの細胞を通りぬけて網膜の最内層を走り,網膜神経線維層を形成する.ここでは個々のニューロンでは軸索と軸索との直接接触が通常みられるが,個々の軸索はグリアに取り囲まれ,それと相互に作用している.このレベルでは各線維の間では電気的に,化学的には完全には分離していないらしい.この神経線維層内に網膜動脈,毛細血管が存在し,網膜内層およびミューラー細胞突起を栄養し,このミューラー細胞突起は神経線維束を各々取囲みその後,樹枝状となって内境界膜を形成している.
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