特集 視神経疾患と緑内障性視神経症の鑑別
3 圧迫性視神経症と緑内障性視神経症
中野 絵梨
1
1京都大学大学院医学研究科眼科学教室
キーワード:
圧迫性視神経症
,
垂直経線
,
vertical step
,
視力低下
,
GCC
Keyword:
圧迫性視神経症
,
垂直経線
,
vertical step
,
視力低下
,
GCC
pp.629-635
発行日 2021年7月5日
Published Date 2021/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002184
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緑内障性視神経症と鑑別を要する視神経萎縮の原因疾患はいくつかあるが,そのうちのひとつが圧迫性視神経症である。眼窩または頭蓋内の占拠性病変を原因とする視神経症であり,占拠性病変の部位や性状によっては命に関わることもあるが,初期には視機能異常しか呈さないことも多い。そのため,眼科医にとって見逃してはならない重要な疾患といえる。ところが主たる症状である視野障害と視神経萎縮は,外来診療で一般的によく目にする緑内障性視神経症としばしば紛らわしい。正常眼圧緑内障と診断されていた患者の6.5%に頭蓋内病変を認めたという報告もある1)。多くの緑内障患者に交じって外来を受診する圧迫性視神経症患者を見逃さないために,視力・視野検査や光干渉断層計(OCT)検査,眼底検査を組み合わせて診断する。本項では,緑内障性視神経症との違いに着目しながら,実際の症例を交えつつ,圧迫性視神経症の特徴について整理したい。
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