特集 エイジング
エイジングとホルモン(6) グレリン
米川 忠人
1
1宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野
pp.67-71
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.02_0067-0071
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「Summary」グレリンは成長ホルモン(GH)分泌促進因子として発見され,摂食亢進,筋肉量増加,抗炎症,神経細胞分裂など多面的に作用し,その多くは抗加齢につながる。最近の研究では,グレリンの分解産物であるデスアシルグレリン投与にも抗動脈硬化作用を呈することが判明した。わが国は超高齢社会に突入したことから,多くの基礎と臨床の施設で抗加齢対策の研究が進行しており,今後,グレリンに関する研究は多分野にわたり治療薬につながる可能性がある。「はじめに」グレリンは胃底腺のA/X様細胞を主な産生源とし,プログレリンよりシグナルペプチドが切断され,C端側はオべスタチンとして分泌される。最終産物としてのグレリン(ghrelin)は,28アミノ酸残基からなるペプチドで,3番目のセリン残基がn-オクタン酸によりアシル化されている。グレリンのアシル化はグレリン-O-アシル-トランスフェラーゼ(ghrelin O-acyltransferase;GOAT)により修飾されるが,血中グレリンの半減期は約10分と短く,容易に分解されデスアシル体となる。「Key words」グレリン,抗加齢,GHS受容体,デスアシルグレリン
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