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特集 摂食制御の分子過程
最新のグレリン研究
Up-to-date summary of ghrelin research
細田 洋司
1
,
寒川 賢治
1
Hiroshi Hosoda
1
,
Kenji Kangawa
1
1国立循環器病研究センター研究所
pp.44-50
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101105
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肥満は過食と運動不足により脂肪細胞に中性脂肪が過剰蓄積した状態で,これによって脂肪細胞の機能異常が引き起こされ,メタボリックシンドロームの病態基盤となる。そのため,摂食調節やエネルギー代謝調節機構の解明は,肥満およびメタボリックシンドロームの予防・治療につながる。この10数年余りで,分子生物学的手法を用いた分子レベルでの摂食エネルギー代謝調節機構の解明が飛躍的に進んでいる。筆者らが発見したグレリン(Ghrelin)1)は,脳および消化管に分布する生理活性ペプチドで,成長ホルモン(growth hormone;GH)分泌や摂食亢進作用,脂肪蓄積効果,糖脂質代謝調節など多彩な作用を有する。本稿では,最近のグレリンに関連する遺伝子改変動物から得られた解析結果も踏まえ,グレリンの生理的意義について概説する。
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