特集 糖尿病性腎症の克服を目指して~up to date~
糖尿病性腎症の病理:正常アルブミン尿期でも注意が必要
松原 まどか
1
1北里大学健康管理センター助教
キーワード:
腎機能予後
,
糸球体病変
Keyword:
腎機能予後
,
糸球体病変
pp.25-29
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.06_0025-0029
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「はじめに」2014年に改訂された「糖尿病性腎症(以下,腎症)病期分類2014」は,CKD重症度分類との関連も考慮して予後を勘案した腎症の新しい分類である。この分類は,以前の病期分類には参考所見として記載されていた病理所見には言及していない。理論上は,糖尿病の経過とともに糸球体のびまん性病変が進み,結節性病変が加わり,さらに尿細管間質病変と相まって腎機能の低下に至ると考えるのが順当であるが,実際には,特に2型糖尿病の腎症は,組織学的にも機能的にも多様な経過を辿っている。腎症の発症・進展に伴い出現する尿アルブミン値上昇,GFR値低下は耐容できなくなった腎臓から発せられる悲鳴である。SOSを発している腎臓を保護する機会があるとすればそれはいつか,病理所見から推察してみる。「KEY WORDS」腎機能予後,糸球体病変
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