特集 最新の糖尿病診療と今後の展開
合併症診療Update
糖尿病性腎症
朝山 伊津子
1
,
金﨑 啓造
1
1島根大学 医学部内科学講座内科学第一
キーワード:
尿アルブミン/クレアチニン比
,
SGLT2阻害薬
,
高インスリン血症
Keyword:
尿アルブミン/クレアチニン比
,
SGLT2阻害薬
,
高インスリン血症
pp.1153-1157
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1153
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Summary
▪糖尿病性腎症は新規透析導入原疾患の第1位となり,全透析導入症例に占める腎症の割合は現在42~44%程度となっている.
▪糖尿病性腎症の発症・重症化を抑制するためにも早期の診断・治療が欠かせず,尿中微量アルブミンの定期的な測定が必要である.
▪アルブミン尿を認める症例では生命予後・心血管イベント・腎機能低下リスクがとくに高く,症例の状態に応じて腎保護作用の示されている治療薬(とくにSGLT2阻害薬)を積極的に選択する.
▪腎機能低下症例では低血糖リスクが高く,無秩序な高インスリン血症を伴う治療介入は回避すべきである.
▪地域における糖尿病性腎症診療の専門家を知り,情報交換できるシステムをつくる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022