特集 抗血栓療法の最近の動向
日本人のワルファリン治療の特性
後藤 信一
1
1慶應義塾大学医学部内科学教室
キーワード:
抗凝固
,
心房細動
,
脳梗塞
,
出血
Keyword:
抗凝固
,
心房細動
,
脳梗塞
,
出血
pp.37-41
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.05_0037-0041
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「はじめに」ワルファリンはビタミンKを阻害することで血液凝固を阻害する,複数の凝固因子をターゲットとした抗凝固薬である。心房細動(atrial fibrillation;AF)の脳卒中予防,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)の治療・予防などさまざまな分野で使用されるが,本稿では主にAFの脳卒中予防に関して論ずる。「Ⅰ.抗凝固療法による脳卒中予防のエビデンス」現在,日本を含む各国の診療ガイドラインでは,弁膜症がなくてもAFの脳卒中一次予防に抗凝固薬を使用することが推奨されている1)-4)。日本人のワルファリン治療の特性について論じる前に,まず非弁膜症性心房細動(non-valvular atrial fibrillation;NVAF)の抗凝固療法による脳卒中予防推奨を支えるエビデンスについて説明する。抗凝固薬とプラセボについてNVAFの脳卒中予防を目的に比較したランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)はAFASAK5),SPINAF6),SPAF7),CAFA8),EAFT9)の5つがあり,抗凝固薬とコントロール群(無治療またはアスピリン)を比較した試験としてBAATAF10)がある。「KEY WORDS」抗凝固,心房細動,脳梗塞,出血
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