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Current Opinion
新規経口抗凝固薬 心房細動における心原性脳塞栓症の予防―ワルファリンとどう違うか
Novel Oral Anticoagulants for Prevention of Cardiogenic Stroke in Patinents with Atrial Fibrillation: Differences from Warfarin
堀 正二
1
Masatsugu Hori
1
1大阪府立成人病センター
1Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases
pp.875-880
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102306
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新規経口抗凝固薬の特徴
[1] はじめに
経口抗凝固薬としてビタミンK拮抗薬(ワルファリン)が登場したのは,1940年代であるので,ワルファリンは50年以上使用されてきた.しかし,ワルファリンは,用量-薬効関係に個体差が大きく,用量調整のためにPT-INRの測定が必須であること,食事や薬剤との相互作用があり,定期的にモニタリングが必要であること,服薬後の効果の立ち上がりが遅徐で,また中止後の作用消失も時間がかかるため予定された出血事象(手術など)への対応が困難で即効性のヘパリン置換が必要になることなど,繁雑な調整を余儀なくされ1),そのため患者側にも医療者側にも負荷になっていたのは事実であり,この負荷のために,また出血事象を恐れてワルファリン投与の対象患者でありながら,投与されていない患者が,40%も存在することが問題になっていた2).このような状況下で登場してきた新規経口抗凝固薬は,トロンビン阻害薬(ダビガトラン)とⅩa因子阻害薬(リバーロキサバン,アピキサバン)であり,エドキサバンも現在開発中である3).本稿では,ワルファリンとの比較からみた新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant;NOAC)の特徴と,開発に至った大規模臨床試験に学んだことについて概説したい.
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