循環器薬 使い方プラクティス
新規経口抗凝固薬 心房細動による心原性脳塞栓症の予防
大塚 崇之
1
,
山下 武志
1心臓血管研究所附属病院 循環器内科
キーワード:
Warfarin
,
抗凝固剤
,
出血
,
心房細動
,
経口投与
,
医薬品承認
,
診療ガイドライン
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
ドラッグモニタリング
,
ランダム化比較試験
,
脳塞栓症
,
Apixaban
,
Dabigatran
,
Rivaroxaban
Keyword:
Rivaroxaban
,
Dabigatran
,
Administration, Oral
,
Anticoagulants
,
Atrial Fibrillation
,
Hemorrhage
,
Warfarin
,
Drug Monitoring
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Multicenter Studies as Topic
,
Drug Approval
,
Practice Guidelines as Topic
,
Intracranial Embolism
,
Apixaban
pp.423-431
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013305809
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ワルファリンに代わる経口抗凝固薬として直接型トロンビン阻害薬(ダビガトラン)および直接型Xa阻害薬(リバーロキサバン,アピキサバン)が非弁膜症性心房細動に対する血栓塞栓症予防のための経口抗凝固薬として投与可能となった.新規経口抗凝固薬(NOAC)の大きな特徴は,単一の凝固因子を直接阻害することであり,(1)効果発現までの時間が速く(3時間前後),半減期が短い(約半日)こと,(2)細かな用量調整が不要であること(ただし,年齢や腎機能などによる減量は必要),(3)食事の影響を受けにくく,薬物相互作用が比較的少ないこと,である.NOACの有効性と安全性はワルファリンとのランダム化比較試験において,どの薬剤もおおむねワルファリンと同等もしくは優位な血栓塞栓症予防効果を有し,出血性合併症の中でも頭蓋内出血の合併が低い傾向であったという結果が共通していた.ワルファリンおよびNOACのメリット・デメリットを理解し,個々の患者のニーズにあった安全かつ有効な抗凝固療法を選択していくことが望まれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2013