特集 DOACの常識・非常識-抗血栓療法新時代に向けて-
治す ワルファリンからDOACへの移行およびDOACからワルファリンへの移行
奥山 裕司
1
1国立病院機構大阪南医療センター 循環器疾患センター
キーワード:
Warfarin
,
抗凝固剤
,
心房細動
,
臨床試験
,
多施設共同研究
,
ドラッグモニタリング
,
服薬アドヒアランス
,
Apixaban
,
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Edoxaban
Keyword:
Dabigatran
,
Rivaroxaban
,
Anticoagulants
,
Atrial Fibrillation
,
Clinical Trials as Topic
,
Warfarin
,
Multicenter Studies as Topic
,
Drug Monitoring
,
Medication Adherence
,
Apixaban
,
Edoxaban
pp.82-87
発行日 2017年1月9日
Published Date 2017/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017113626
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心房細動に伴う心原性塞栓症は適切なワルファリン治療で3分の1以下に抑制す ることができる。しかしながら現実には頭蓋内出血をはじめとする出血の増加, 食物制限,頻繁なモニタリングの必要性などから,医学的に必要な患者に,必要 な強度の抗凝固療法が行われている頻度は決して高くなかった。さまざまなワル ファリン治療の問題点を解決するために新規機序の薬剤が開発され,現在では4 種類の新規経口抗凝固薬(DOAC[direct oral anticoagulant]とよばれる)ダビ ガトラン,リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンが使用できる。多く の問題点が解決に近づいたが,DOAC特有ともいえる新たな問題点も浮上してき た。DOACが普及するにつれ,抗凝固療法の新規導入の際にはかなりの割合で DOACが使用されるようになっている。また従来ワルファリン治療を受けていた 患者でもDOACへの変更がしばしば行われている。ある患者にとってどの抗凝固 薬が最適であるかを,寝たきり・死亡の回避,日常生活の質の向上,といった観 点から判断していく必要がある。本稿ではDOACへの変更がなされるべき状況, 逆にDOACへ安易に変更しないほうがよい状況などについて考えるととともに変 更時の注意点について具体的に述べたい。
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