特集 抗血栓療法の最近の動向
クロピドグレルとそのほかのP2Y12ADP受容体阻害薬
堀内 久徳
1
1東北大学加齢医学研究所基礎加齢研究分野教授
pp.21-25
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.05_0021-0025
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「はじめに」P2Y12ADP受容体阻害抗血小板薬は,第1世代のチクロピジンに始まり,より安全性に優れる第2世代のクロピドグレルが開発され,非常に強力な第3世代薬,プラスグレルやチカグレロルが開発されてきた。近年,その臨床的有用性が種々明らかとなり,その使用量も増加してきた。2013年,2014年には,2年連続して,わが国での単剤として,クロピドグレルが第1位(売上高ベース)となっているように,インパクトの高い薬剤となっている。「Ⅰ.血小板ADP受容体」活性化血小板ではトロンボキサンA2が産生・放出される。血小板形質膜上にはトロンボキサンA2受容体があり,放出されたトロンボキサンA2は局所における血小板活性化の増幅に働く。トロンボキサンA2受容体は三量体G結合蛋白質Gαqと共役しており,一過性にカルシウムイオン濃度を上昇させ,血小板を強く活性化させる。アスピリンは,血小板細胞内でトロンボキサンA2産生のための必須酵素cyclooxygenase-1(COX-1)を不可逆的に阻害する。
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