特集 抗血栓療法の最近の動向
抗血小板療法と血小板機能検査:臨床効果を反映する検査指標はあり得るか
大森 司
1
1自治医科大学医学部生化学講座病態生化学部門准教授
キーワード:
血小板凝集能検査
,
アスピリン
,
チエノピリジン系抗血小板薬
Keyword:
血小板凝集能検査
,
アスピリン
,
チエノピリジン系抗血小板薬
pp.27-31
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.05_0027-0031
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「はじめに」抗血小板薬はワルファリンによる抗凝固療法と異なり,一定量を投与することが一般的である。しかし,抗血小板薬の治療効果も他の薬剤と同様,薬理作用に個人差があることは容易に予測できる。抗血小板薬においても,検査結果に基づき適切な薬剤を選択することで患者予後が改善する可能性がある。本稿では,抗血小板薬使用時に用いる臨床検査,および,それと臨床予後との関連に着目した臨床研究の変遷を紹介し,実臨床における抗血小板薬のモニタリングの必要性について議論したい。「Ⅰ.抗血小板薬の作用」日常臨床で使用される代表的な抗血小板薬として,アスピリンとチエノピリジン系の薬剤があげられる。アスピリンの作用部位は血小板シクロオキシゲナーゼ(COX)である。アスピリンの作用は不可逆的であり,無核の血小板では作用が血小板寿命まで持続する。COXの不活化によりアラキドン酸カスケードにより生じるトロンボキサン(Tx)A2の産生が抑制され,二次的な血小板活性化が抑制される。「KEY WORDS」血小板凝集能検査,アスピリン,チエノピリジン系抗血小板薬
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