原著
妊婦血漿中のADPならびにPAF分解活性
飯岡 秀晃
1
,
赤田 忍
1
,
久永 浩靖
1
,
森山 郁子
1
,
一條 元彦
1
Hideaki Iioka
1
1奈良県立医科大学産婦人科
pp.739-742
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900466
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血液中のADP,およびPAFの分解活性の妊娠中の変化を胎盤機能との関係を含めて検討した。
1.血漿中のADP分解活性は,妊娠時は,非妊娠時より増加しており,また,妊娠経過とともにADP分解活性の増加を認め,妊娠満期では,非妊娠時の約2倍の値を示した。
2.血漿中のPAF分解活性は,妊娠時は,非妊娠時に比し,やや低下しており,妊娠経過とともに減少する傾向を認めた。
3.胎盤絨毛組織培養上清にはADP分解活性が存在することが判明した。一方,胎盤絨毛組織培養上清には,PAF分解活性が存在しないことが示された。
妊娠経過とともに血漿中のADP分解活性は増加することが判明した。この妊娠血漿中に増加するADP分解活性の由来としては,胎盤絨毛組織培養上清にADP分解活性が出現することにより,胎盤が関与していることが示された。
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