特集 日本が解き明かした病気―疾患概念の確立から現在まで―
序文
金兼 弘和
1
1東京科学大学大学院小児地域成育医療学講座(寄附講座)
pp.753-753
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000002342
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多くの病気,特に症候群とよばれるものにはまれに患者の名前がついたものもあるが,発見者の名前がついたものが少なくない.これまで多くの日本人が新たに病気を見つけて,その名前が病名に残っている.川崎病は1960年代に日本赤十字社中央病院(当時)小児科に勤務していた川崎富作が見つけたものである.その臨床的特徴から一時期は小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群とよばれることも多かったが,世界的にみれば川崎病のほうが通用しており,現在では川崎病とよばれることがほとんどである.日本だけでなく世界からも川崎病が報告され,日本からの報告数が最も多いにもかかわらず,その原因は60年以上たった今も不明である.日本人がその原因を明らかにすべき病気の1つである.福山型筋ジストロフィーも1960年に福山幸夫によって報告された,きわめて予後不良な先天性筋ジストロフィーの1つである.1993年に戸田達史らによって,その原因遺伝子fukutinが同定され,日本発の新規治療の開発も進んでいる.

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