特集 自己抗体から紐解く小児疾患
序文
金兼 弘和
1
1東京科学大学大学院小児地域成育医療学講座
pp.1515-1515
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001962
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われわれの身体には,細菌やウイルスなどの微生物や異物が身体の中に侵入してくると(これら侵入物を抗原という),抗原と戦う物質(これを抗体という)を作って抗原を排除する働きがあり,これを免疫機構という.この抗体は通常なら,異物を認識するだけであり自分の身体を攻撃することはないが,何らかの原因で異常が起こると,自分の細胞成分に対して抗体を作り(これを自己抗体という),自分の身体を攻撃してしまうことがある.このような病態を自己免疫疾患とよぶ.自己免疫疾患は成人,特に成人女性に多くみられるが,小児でも様々な自己免疫疾患がみとめられ,身近な疾患もある.

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