特集 気道アレルギー
序文
pp.687
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207967
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臨床アレルギー学の進歩は,気道アレルギーの診断やその周辺疾患ないし現象の解明に大きな役割を果たしてきた。また大気汚染による気道粘膜の障害を論ずる上にも,強力な理論的背景となつている。それ故,気道アレルギーの発症機序を理解し,さらには地域的な該疾の特徴や頻度,あるいは大気汚染の影響などを十分把握していることが,実地臨床にたづさわるものにとつて必要である。
さてアレルギーあるいはアレルギー体質という言葉は医学の面ばかりでなく社会現象の説明の中にも多く使用されるようになつてきた。しかし医学の面でのアレルギー学の発展は近年瞳目させるものがある。この発展を抗体の側からみた場合,各免疫グロブリン特にIgEの発見によりアレルギー学は飛躍的に進歩した。抗原の分析も具体的に進められてきた。そして抗原抗体反応の場とそれに継起する一連の反応の背景も概念的なものではなく実験的に確かめられている。
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