特集 これでマスター! 最新 産婦人科ホルモン療法
第2章 各論
C 周産期
4 胎児肺成熟の促進
夫馬 和也
1
,
小谷 友美
1
1名古屋大学医学部産婦人科
pp.299-305
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000672
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薬剤選択のポイント
実質上,一択である.デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムとベタメタゾンリン酸エステルナトリウムの明らかな優位性は示されておらず,現状ではデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムをあえて適応外使用する必要性はない.
海外でおもに使用されているベタメタゾンリン酸エステルとベタメタゾン酢酸エステルの合剤(CELESTONE® SOLUSPAN®)は,わが国では含有量が異なるがリンデロン®懸濁注がある(切迫早産への保険適用はない).この2種類のベタメタゾンは半減期が異なるが,臨床上の優位性は明らかではない.
他にはアンブロキソール塩酸塩,インターロイキン,腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)α,成長因子などが肺成熟効果をもつと報告されているものの,前臨床試験の域を出ず,推奨されない.
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