巻頭座談会 Round-Table Discussion
胎児脳の発育と成熟
池ノ上 克
1
,
夫 律子
2
,
秦 利之
3
,
上塘 正人
4
1宮崎大学学長
2クリフム夫律子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所院長
3香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学教授
4鹿児島市立病院産婦人科部長
pp.8-15
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.10.01_0008-0015
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長期間にわたる疫学研究をもとに成人病胎児期発症起源仮説が提唱され,その概念は広く知られるところとなった。胎児脳の発達・成熟においても母体の栄養環境やストレスなどの影響が注目され,さまざまなアプローチにより胎児期の評価がなされている。とりわけ超音波検査の技術革新による胎児脳構造の把握,胎児行動の評価は長足の進歩を遂げ,かつてはブラックボックスといわれた胎児期の病態生理が近年明らかになりつつある。これにより胎児の短期予後のみならず,長期予後を視野に入れたフォローアップが可能となり,さらに心理発達の問題を含む長期予後のマーカー探索などについても今後取り組むべき課題として注目される。そこで本座談会では「胎児脳の発育と成熟」と題し,各領域のエキスパートの先生方に最新の知見をご紹介いただいた。
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