特集 これでマスター! 最新 産婦人科ホルモン療法
第2章 各論
C 周産期
5 産褥期乳汁分泌管理
竹田 善治
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.306-309
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000673
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薬剤選択のポイント
カベルゴリンは乳汁分泌開始前の1回投与ですむため,流・死産やヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症などであらかじめ乳汁分泌抑制を予定している場合に有効である.
ブロモクリプチンメシル酸塩は乳汁中への移行は認められない.乳汁分泌過多症の褥婦に本剤2.5mg/日を分娩後5日目より3日間連続投与が分泌量の減少に有効とする報告1)がある.しかし,現在は授乳を望む母親には本剤を投与しないこととされている.
いずれの薬剤も妊娠高血圧症候群の患者,産褥期高血圧の患者には産褥期におけるけいれん,脳血管障害,心臓発作,高血圧が発現するリスクが高いため投与は禁忌である.投与中(特に投与初日)は観察を十分に行い,血圧上昇,頭痛,中枢神経症状などがあらわれた場合には,直ちに投与を中止する.また投与時には氷罨法などの補助的方法も併用する.
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