Special feature CDI・ノロウイルス感染症との戦い方 腸管感染予防策
■Basic 腸管感染予防策における行動規範
❸汚物処理と環境清掃
-―嘔吐物処理セット・マニュアルの作成とその活用
今本 紀生
1
1広島県厚生農業協同組合連合会廣島総合病院 感染防止対策室 科長 感染管理認定看護師
pp.21-26
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000013
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はじめに
Clostridium(Clostridioides)difficileやノロウイルスは,嘔吐や下痢の症状がある患者または保菌している患者の嘔吐物や便によって感染が拡大しやすいことが広く知られている。また,患者や医療従事者の汚染した手指,および環境表面・物品が感染源となる感染経路も重要視する必要がある。さらに,C. difficileやノロウイルスはアルコールを含む多くの消毒薬に抵抗性を示すため,一度汚染された環境表面や物品は適切な消毒が施されない限り感染源またはリザーバーになる。よって,C. difficileやノロウイルスに対する腸管感染予防策(Enteric Precaution)としては隔離予防策や手指衛生などの感染対策に加えて環境衛生も重要な感染対策となり,日常の環境清掃の段階から高頻度接触面や汚染箇所の消毒方法に注意する必要がある。
ここでは,腸管感染予防策の一環として適切な嘔吐物処理や環境対策を行うための物品整備やマニュアル作成と活用について述べる。
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