Special feature CDI・ノロウイルス感染症との戦い方 腸管感染予防策
■Basic 腸管感染予防策における行動規範
❷接触予防策
-―手指衛生・手袋着脱の正しいタイミングとその教育・実践まで
萩野 貴志
1
,
金子 陽香
1
1東日本電信電話株式会社NTT東日本札幌病院 感染管理推進室 看護主任 感染管理認定看護師
pp.14-20
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000012
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はじめに
医療関連感染(Healthcare-Associated Infection:HAI)は接触,飛沫,空気による伝播経路がある。また,それらの伝播経路を遮断することが最も効果的であることが知られている。我々医療従事者の多くは複数の患者と接し,病原微生物を運び,伝播させる危険性が高い。その中でもクロストリジウム(クロストリディオイデス)・ディフィシル感染症(CDI)やノロウイルス感染症は,注意深く接触予防策を実施していなければアウトブレイクを発生させる危険性が高い疾患である。また,感染症の原因となる病原微生物は検査をしなければ分からない。したがって,標準予防策はもちろん,感染症が疑われる段階から感染経路別予防策を講じる必要がある。そして,手指衛生や個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)の使用は欠いてはいけない重要な感染防止対策で遵守が求められる。しかし,手指衛生は各施設の感染管理者が期待するように実施できていないことが多いと思われる。今回は,手指衛生とPPEの手袋の正しい使用に焦点をあて,NTT東日本札幌病院(当院)の取り組みを踏まえて述べる。
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